見出し画像

20240330「ひかりの道」

明けない夜を待って
鳥声は既に届き
薄暗さの中で鳴いている
集落の底で水を貯めて
井戸を掘る
一番低い所に在って
いつもそこへ留まって
揺らされてまた移動する
少しずつ
そして怒涛のように
為す術なく降りて行く
どこを通ってもいいのだから
各々が進めばいい
反射した合図を持って
気づく頃には
朝が来ては
朧で霞隣り合わせになる

朝から始め
もう真昼に出会って
夕方を眺めている
夜はすぐそこ
眠れない夜もある
夢の間くらいは
すやすやと眠ればいい
別の眼差しで辿るその行程で
どれだけの出会いと
どれだけのお別れ
自分自身だけでそこに居る
他に居ようとしても
実態はそこに留まり
別の風景を捉えている
出来事の詳細をまとめ
集約する自分のこと
手紙はまだ届かない

ややもすると
すぐに忘れ
かけがえのない時を統べる
散漫な意識の最中で
飲み込む時間を過ごす
どれもが平等に立ち回り
その時を過ごす
あれよと呟き
声に出しては
消えて行く
近く遠く
まだ持ってるものを与え
託すのは何かしらの知恵
どう転んでも起き上がり
また地面を汚しながら
上を向くのだろう
その道でわたしを待っている

この記事が参加している募集

朝のルーティーン

読んでくださってありがとうございます!サポートいただいた分は、noteの他のクリエーターのサポートに使わせていただきます😁