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20240324「下へ下へ」

低く低く項垂れ
底辺から上を見上げる
その深さで
確かさと朧げな水地
降る雨を溜めて
一碗を得る
生きながらえる術で
その遠近と膨らみを睨む
しばらくすれば
雲が通り
流れて行く
枝先で鳥たちが歌い
撓らせた枝の反発で
飛び上がる
どこへ行ってもいいし
どこへも行かなくてもいい
枯れ枝から花が咲く
すぐに散ってまた緑が映える

下へ下へ
降りるところまで
落ちるところまで
その深海を覗く
静かでありつつ
彷徨うのは
暗闇があるから
そのうち浮上するのは
誰かの身体
あわよくば繋がれ
ともすると漂流する
波間の照り返しで
頬を熱らせ
満遍なく共に在る
穿たれた窪みで
また待っている
聞いたことない知らせまで
既に届いたと思っている

そのままに居て
目を閉じつつ
何かを開く
閉ざされたわけではない
ただ気づけないままで
別のことをしていただけ
全自動の鈕を引きちぎり
遠くへ投げて
その落下と着地を
確かに耳にする
転がったりしては
自然に止まる
重さの問いを侍らせ
浮遊するのは
どの埃なのか
目に見えないそれらを集め
集合の連結を
違う関係性へと組み替えている

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