20240322「日々送り」

日々を送り
また迎えに来る
おはようと言ったり
こんにちはとか
さよならとか言ったり
しばらくそこにいて
また離れていく
また会えたらいい
そうでなかったら
少しさびしい気もして
それでいて
いつも一緒にいられないから
せめてのひとことを伝えよう
ついつい忙しいと
そうもできないけれど
ほんのひと時を
共に過ごそう
振り返ればわたしがいる

名前も忘れて
顔だけは浮かび上がる
もう勝手な解釈でも
それでいいから
よかったことととか
そうでなかったことも
同時に在って
そのどれかを選択すれば
それが今のわたしとなる
次の行動を選べばいい
忘れた頃に何かを得られるだろう
とりとめない思いの深さと
はにかんだ表情で
幼さと熟練を交互に配り
わたしの中心に
あなたが浮かび上がるとするなら
きっと忘れても
いいのかもしれない

手を振って
手を振られて
また会うこともないかもしれない
それはそれで
もう十分なのだとしておこう
どれもが持ちきれないのなら
零れても溢れても
また汲みに出よう
枯れた水脈のその先では
雲間からのひかりがさすのだろう
雨風を凌ぎ
更に傲慢でお人好し
誰彼の強さとその弱さを示し
わたしたちの顛末は
どう転ぶのかは誰も知らない
だからいい方へと行くかもしれない
明日は晴れて
どこかで雨が降る