20240213「かえっこ」

ちょいとつまんで
ぽいと放す
簡単だけれど
それを続けるのも
しんどいけれど
どこからどこへと
促され
はいはい
ほいほい
新しい所へと
移行している
気づけないままに
傷つけて
傷つけられて
その痛みを得る
そんなのいらない
そう思っていた
ちっぽけな痛みなら
乗り越えられるのに

負荷のバランスで
弥次郎兵衛
滑稽な旅だから
どこへ行っても
楽しめる
そう決めているなら
どれもがそう
掘り起こした
それを違う方から見てみれば
どれもが新鮮
初めて出会った
物ものたちの
誰かが作って
誰かが売って
誰かが何かを得ている
知らない光景
出会す出来事
よく似たようで
皆違う

ほっぽっておいた
それらのことを
頭のどっかにそのまましてて
またまた買ってしまって
置き場所が狭くなっている
それが豊かさだとは
よくわからないのに
その時だけは何だかにやにや
そんな小さな楽しみは
それくらいはあってもいい
壊れたおもちゃだって
また直せる
忘れてしまったことさえも
いつか思い出せるかもしれない
わたしが忘れて
あなたが拾う
その逆もまた然り
かえっこの極意
逆像の中間を壊す