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20240306「歩兵」

型をとり
馴染むように
宛てがう
なりをそのままで
そしてまた違うように
その輪郭をなぞる
どれもが別だが
似たようなもの
同一がないように
その場に合わせ
息を吹き込む
呼吸の連続
それでいて
一瞬が永遠のように感じるのなら
悠久の中に潜って
すやすや眠るだろう
どれだけ待てばいいのか
誰も知らないけれど
待ってるものがある

与えられたとして
受け取って
それらが間違いだとしても
正解の方へと近づける
途方もないくらいに
悠然として
知らんぷり
当てどもない矢を放ち
放物線の落ちる所まで
歩いて行く
刺さったそれを引き抜こうと
必死に力を入れるが
一向に抜けないのは
力が入りすぎているから
知っていても
知らずの内に
もがきつつ
すっと力を抜けば
ふっと我に帰るのだろう

足取りを振り向いて
その軌跡を踏んで
もう一度前を向く
掬った水を口に含み
苦い記憶と
甘い誘いで
逡巡しながら
方々の景色を眼に写そう
どれもが新鮮で
どれもが寂びている
獰猛な雄叫びで
揺れる大地に乗っかって
押し寄せる波
しじまからの伝達
周波を調律しては
戻りつつ前のめり
転んだ世界に背中を着けて
遠くの空が落ちてくる
ひかりを包み受け取ってみる

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