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20240718「偲ぶころに」

ささやかな日常だとしても
それがわたしのことで
またわたしたちのこと
送ることと
流すこと
耐えられないくらいに
それでいて平然の時もある
これっぽっちの時間を
今持っているのだとしても
それもまた零れるのなら
受け皿を手に取ろう
せめてもの掬いで
思い出のどこかへ
仕舞っておけば
いつかとこれからも
繋ぐことができるだろう

もういない
さっきまでいたのに
わたしのどこかは
当て所なくそれらを探す
それもまた過去なのなら
わたしもその一部を受け持つ
解釈を付け加え
記憶の何某を与え
自分なりの意味を付与している
どれもが自由だとするのなら
それもまたいいだろう
その中にあるひとつ
忘れるくらいに持っていて
薄れて行く物ごとを
洗いつつ誂えている
透明な形容を受け持っている

火を灯し
煙の行方を探している
どれもが薄れ
また確固たる信念なんて
もう汚れたも同然
与えられ放棄し
自分を擁護しつつ
またそこを離れてしまう
それが本命ならば
そうだとしておこう
灰を集め
小瓶に詰めて
また地面に戻す
よく晴れた日には
雲を待って
雨でも降ってくれればいいと思っている

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