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20231101「零を焼べる」

空っぽの心に
投げ込んで
充しきれないはずの
栄養と情報
感覚のどこかで
麻痺してるけれど
無いことをも受け持って
それを受け止める器で
わたしを見つけよう
心の器なら
それを受け入れるだろうか
食べきれないくらいに
感情を豊かに肥えさせれば
何を消費して
何を投資するのだろう
余剰をせっせと抱え
在りもしない零を数え
やんごとなき重なりを染み込ませる

新たな細胞と
交換されたそれ
更新を促され
どんどんと流れへとどんぶりどぶり
息継ぎしながら
煙の中を凌ぐ
雨霰
突き抜ける速度を加速させ
滅びの呪文を宣い
プロンプトは更に精度を高める
誤差と言って
それを含んだ標準の大まかさ
わたしの心を考慮して
はだける裾へと落ちて来るもの
向こう越しの照準への
誤解と誤読
読まれもしない
それぞれの物語

映された虹の欠片を持って
プリズムの焦点まで
結晶化させ
レンズの実像と虚像を
交互に見定め
あわれもない慈雨を待つ
消火化された地平にも
瓦礫の凸凹を再度均して
土を耕しささやかな種を植えよう
緑の平地を先に送って
原因を播く
拾った鉄屑を溶解して
新たな防御を包み
錆が増えるまで
違う雨模様を写しておこう
秋の村雨に凍え
まだ燻っている火種をもって
別の小さな暖をかき集める

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