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【Diary#13】僕らも人魚も自由に恋をする

 前回のDiaryで昨年12月のことは全て書いた気でいたが、書き忘れていたことがわりとあった。ということで2022年になったが、2021年末のことを書く。

※『カムカム・エヴリバディ』『ルパン三世PART4』『リトル・マーメイド』のネタバレを含みます!


○連続テレビ“病み”小説

 NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の安子編(岡山編)が終了した。ラジオ英語講座を巡って親子三世代の物語を描く今作。3人のヒロインによる3部構成という今までの朝ドラにはない試みに興味を持ち見始めた(一番の理由は上白石萌音が出演していたから)のだが、ストーリーや展開も素晴らしい。

 まず、3本分の物語を1本に収めているというのもあって展開が早く、中弛みがないので飽きにくいのがいい。
 何度も上白石萌音演じる安子がぶっ倒れる演出はどうかと観ながら思っていたのだが、これが安子編ラストに利いてくるのだ。
 朝から何だこの胸糞悪さは……という連続テレビ“病み”小説と言えそうなラストだった。

 窪田正孝主演の『エール』の時も戦後の苦しみは色濃く描かれていた。辛い戦争が終わったから、晴れて幸せというわけじゃない。戦時中に傷ついた心は戦後も癒えることなく、本人の精神を蝕む。
 『エール』では窪田演じる古山が今まで戦地へ送る歌を書いてきたのに、戦後も曲を書き続けていいのかと悩んでいた。あの話は見ていてとても胸が苦しくなったが、『カムカムエヴリバディ』はその比じゃなかった。
 全てが悪い方向に転がっていき、最後の希望までも失う絶望感。安子の娘の話・るい編がまたミュージカル調で明るいが故に、安子編が終わっても絶望感を際立たせる演出には圧巻だ。

 詳しい感想は下の記事に書いているのでぜひ。



○ルパン三世はPART4が1番好き

 学校の授業での課題レポートのために『ルパン三世PART4』を見返した。
 PART4は2015年から2016年にかけて放映され、テレビシリーズとしては30年ぶりの作品である。舞台はイタリア・サンマリノ。テーマは愛と芸術。赤いジャケットのルパンを見慣れていた僕にとって、青いジャケットはすごく新鮮だった。

 このシリーズは自分の作品作りに大きな影響を与えてくれた作品。
 作中で浦賀航という科学者のキャラクターが「作られたこの世界に自由はない」というセリフを言っていた。
 この回から自分の自由に対する認識が変わった。

 そうか自分は不自由なんだ、と。

 それじゃあそんな世界で自由と思えるような生き方をしてやろうぜ、とこの作品を通して思ったし、課題レポートでも「自由と芸術」というようなテーマについて書いた。
 課題を提出し終えたらぜひnoteにも投稿したいと思っている。

※2022/2/14追記:投稿しました!↓

 そして、このシリーズが好きな理由はもう1つ。サブヒロインであるレベッカ・ロッセリーニが好きなのだからだ。

https://www.oricon.co.jp/news/2058794/photo/4/

 ロッセリーニ財閥の令嬢であるレベッカは実業家・モデル・女優・歌手などの輝かしい仕事をこなす裏で、ルパンら同様に泥棒としての活動もしている。

 ルパンシリーズの女泥棒と言えば峰不二子だが、一体彼女と何が違うのか。

 峰不二子は富と美を求めるのに対し、このレベッカは盗みというスリルを求めているのだ。そのため盗んだものは元あった場所に戻したり、捨てたりという様子が作中でも見られる。

 裕福な家に生まれ、縛りのある暮らしをしてきたからこそ彼女はきっとスリルを求めて泥棒稼業を始めたのだろう。

 まさに不自由から自由へ、ということだ。

 物語が展開するにつれ、ルパンに本気で恋をするというサブヒロインならではの展開も魅力的。最終話でのルパンとの別れのシーンは感動ものだ。


○僕らも人魚も自由に恋をする

 『ルパン三世PART4』は近所の店でレンタルして見ており、最後まで見終えた後は自分へのご褒美も兼ねて課題に関係ない映画を1本借りた。

 それが言わずと知れたディズニーの名作『リトル・マーメイド』。

 Diary#10にてディズニープリンセスがマイブームという話を話題にしたが、それがまだ続いており借りた次第だ。

 この作品は何年か前にも一度だけ見ているのだが、今人魚が登場する小説を書いているというのもあり、久しぶりに見たくなったのだ。

 『リトル・マーメイド』はディズニープリンセスの歴史の中でも非常に重要な作品である、という雑学をここで披露したい。

 初期のディズニープリンセス『白雪姫』『シンデレラ』『眠れる森の美女』のヒロインたちは皆、憧れの王子様との出会いを待っていた

 しかし『リトル・マーメイド』以降のヒロインは待たずに向かっていく姿が多い。さらにその先に、憧れの王子様だけではなく自由を見ている


 『リトル・マーメイド』ヒロイン・アリエルは劇中歌「パート・オブ・ユア・ワールド」にて、

ヒレじゃ遠くへ行けない 足がいるわ 踊ったり 散歩したり どこを歩くんだっけ? 道 歩いて 走って 日の光あびながら 自由に 人間の世界で

と歌っている。

 僕の最も好きなプリンセス・ラプンツェルも、

考えてる 私のこんな暮らし いつまで続くの
明日は光が 夜空飛ぶはず
きれいよね きっと
私の誕生日
外の世界を 見に行きたいの

と、「自由への扉」にて自由を願っている。

 特に『リトル・マーメイド』では自分の声を失ってでも陸へ行こうとする、アリエルの自由への渇望がいい。

 アンデルセンの原作では幸せな最期を迎えられないが、そうでないのがまたディズニーらしくていい。

結論。『リトル・マーメイド』はいいぞ。




ちなみに『リトル・マーメイド』は実写版も控えているので楽しみすぎる!!!

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