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#59『図書館戦争』(著:有川浩(有川ひろ))を読んだ感想【読書日記】

有川浩(現:有川ひろ)さんの『図書館戦争』
『図書館戦争』シリーズの第一弾で、第4回(2007年)本屋大賞で第5位に入賞。映画化、アニメ化もされている作品です。

読んだきっかけ

今年から図書館でボランティアを始めたのもあり、図書館を利用する機会が増えました。本作は、図書館で舞台であること、その図書館で戦争とはどのような内容なのかが気になったことがきっかけで読みました。

このような方にオススメの本です

  • 本が好き、読書が好き

  • パラレルワールドの作品を読みたい

  • 思わずドキドキする恋愛系の作品が好き

あらすじ

2019年(正化31年)。
公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。
高校時代に出会った、図書隊員を名乗る"王子様"の姿を追い求め、
行き過ぎた検閲から良書を守るための組織・図書隊に入隊した一人の女の子がいた。
名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、
エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが......!?
様々な困難と出来事、そして、本を狩る組織・メディア良化委員会にひたむきに立ち向かう、郁を始めとする図書隊の面々。
そう、すべては本と自由を守るため......。

『図書館戦争』KADOKAWA総合サイトより

感想

  • 登場人物たちの会話や行動のコミカルさや戦闘シーンにいつの間にか夢中になっていた

  • 読みたい本が読めることのありがたみを強く感じた


時折見せる登場人物たちの会話や行動のコミカル、図書館のイメージとは不釣り合いに見える戦闘シーン。いつの間にか夢中になって読んでいました。郁のまっすぐさや堂上の不器用さなど、登場人物一人一人が濃くて魅力的。高校時代の郁を守った「王子様」や郁のラストシーンでの台詞もカッコいい。ドキドキ、モヤモヤする郁の恋模様も気になります。


図書館で戦争が起こるという非現実な世界でありながら、テーマは「表現の自由」と現実的なもの。その中で「図書館の自主規制を考えるフォーラム」での中学生の研究発表が印象的です。読書に意義や価値があるのは確かだと思いますが、それが先にくるのではない。大事なのは楽しんで読む気持ち。その先に、読書の意義や価値は分かるのかもしれないと思いました。

読了後は、読みたい本が読めることのありがたみを強く感じました。そして、実際の世界で本の販売や貸出が制限されることは絶対に起こって欲しくないとも。良い影響よりも悪い影響が目立つこと、それにより何かを規制しようという動きは現実でも有り得る話ですよね。


本作はシリーズ作品。続きが気になる終わり方で、続編も読みたいと思いました。

※図書館の自由に関する宣言、現実の世界でしっかり定められているんですね。それを知るとさらに『図書館戦争』シリーズが楽しめそうです。


印象的なフレーズ

「こちらは関東図書隊だ!それらの書籍は図書館法第三十条に基づく資料収集権と三等図書正の執行権限を以て、図書館法施行令に定めるところの見計らい図書とすることを宣言する!」

『図書館戦争』

「正論は正しい、だが正論を武器にする奴は正しくない。お前が使ってるのはどっちだ?」

『図書館戦争』

どうして大人はただ本を面白がるということを子供に許してくれないのか。自分たちはただ面白がるためだけに本を読むくせに。

『図書館戦争』

「面倒くさいと思う人に面倒くさがるなって言っても仕方ないし、面倒くさがる人は必ずいるのよ。協力すべきなのにってブツブツ言うより、協力的じゃない人に協力させる方法を考えたほうが建設的じゃない?義理も縁もない他人に何かを頼むとき『協力してくれるべき』とか『してくれるだろう』とか甘い見通し持ってる奴は絶対に失敗するわ。協力って期待するものでも要求するものでもなくて、巧く引き出すものなのよ」

『図書館戦争』

「わたしはあんたを超えるんです。だから絶対辞めません」

『図書館戦争』

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