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サスライに少しばかり疲れの見えてきたイタリア語教師です。ここには何を書こうかな...

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サスライに少しばかり疲れの見えてきたイタリア語教師です。ここには何を書こうかな...

    最近の記事

    特殊教育学とゾンビスノビズム

    この本が届いた。まだ読んでないけれど、パラパラとめくって思うところを書いておこうと思う。多分こういうことが書いてあるだろうという臆見であり、読んだ後で反証されるかもしれない先行理解だ。  ポイントは「特殊教育学」。イタリア語では「Pedagogia speciale」。この本の原題でもある。それにしても「特殊教育学」とはなんだろう。ぼくはいつものうように辞書を引く。気になるのは「Speciale」 。その語義は「特定の領域に限定した」というもの。教育を特殊な領域に限定すると

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      • 様態動詞の三脚巴

         「一人で死ね」は自分に返る「『死刑になりたくて…』」著者が感じた希死念慮の行方」という記事を読んだ。備忘のため思ったことを記す。  「死刑になりたい」という言表には「意志」(volere)が表明されている。そしてこの記事の少女は、死刑になることが「できる」(potere)ように行動した。そうなるように「しなければならない」(dovere)と思ったからだ。  ここに見られる3つの様態動詞(volere, potere, dovere)の三脚巴の最も哲学的なヴァージョンは、

        • 「ごちゃまぜラーニング」をめぐって

          こんな記事を読んだ。「ごちゃまぜのラーニングセンター」はいいよね。混沌は制御できないように見えるけど、じつは偶然で自由な出会いのなかから、統一的なある傾向が生じてくる。偶発性というやつだ。 ぼくが学んだ西ヶ原キャンパスには、いろんな国の言葉を学ぶ学生がいて、話を聞いているうちに、自然に言語への関心が高まってくる。ただし、当時は専攻言語が決まっていて、途中から変更できなかった。面白そうだなと思っても、自分がやるべき言語はすでに決まっていて変更不可能だった。 日本の大学の息苦

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          • 参議院選挙で投票すること

            今回の選挙は3年ごとに行われる参議院の改選選挙ですね。248名の構成員のうち半数の124名が改選となります。うち選挙区が74名で比例区が50名だそうです。ところで、参議院ってなんなんでしょうか。ぼくなりに、言葉のほうから整理しておきます。 参議院って英語だと「 House of councillors」、イタリア語は「 Camera dei consiglieri 」と訳されます。「councillors / consiglieri 」と訳された部分がポイントとなりますね。

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            無主の地

             さっき書いた「悪魔の誘惑と人生の自転車」を読んでくれた知人から、チェコで大統領を務めた劇作家のヴァーツラフ・ハヴェル(Václav Havel、1936 - 2011)の「死にいたる権力」(『世界』岩波書店, 559号pp.64 -69, 1991)をすすめられた。なるほどこれもまた「権力」に関して、とても示唆に富む文章だ。以下、備忘のため、その知人に書いた返事を若干書き直した上で、転載しておく。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  そうなんですよね

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            悪魔の誘惑と人生の自転車

            こんな言葉を読んだ。有馬稲子の言葉だという。 「彼は、私が最初の結婚の相談をしたとき、反対しています。たとえ彼の思惑は何であれ、“それはよかった。幸せになってくれ”という男気がなぜ彼にはなかったのでしょう。それは道ならぬ恋をしている大人の、最低限の誠意だと思うのです。又次の回の、実際に結婚が決まった時も、“3月に1度でいいから会ってくれ”と、とんでもないことを言っています。これだけは口にするべきではないでしょう。このひどさは今思い出してもカッとなるほど腹立たしいものです。恋

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            イタリアのお母さん

            マリーサ・ディ・ルッソ先生の訃報が入る。闘病されていることは知っていた。ついにその時が来た。なんともしんみりしてしまう。 ぼくはふまじめな学生だった。「ディ・ルッソの授業」(当時はそう呼び捨てにしていた)に出た記憶がほとんどない。唯一覚えているはLL教室(language laboratory)のブースに入ってヘッドフォンをかぶらされたこと。今でこそ「ミム・メム練習」(mimicry and memorization practice 模倣と記憶の学習)だったとわかる。あの

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            ハイフレックスというアクロバット

             今年度の学年暦がようやく決まる。ひとつはオンライン、もうひとつは対面でやる。本当は全部対面でやろうと思ったのだけど、3月が終わろうとしているのに、なかなか情報があがってこない。アンケートでは対面でやりたいと答えたのだけど、ほんとうにできるのか。できるとすればどういう条件になるのかなど、わからないままだった。  業を煮やしてこちらから動く。学年暦を手に入れて、細かい情報に目を通し、いろいろ質問をぶつけてみる。わかったことは、対面ではやれるのだけど、かなりの確率でハイフレック

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            戦争の犬たち

            ぼくらが目の前にしてるウクライナの戦渦は、今年の2月24日、どこかの大統領が「特殊軍事作戦」を発表して始まった。それから1ヶ月以上、もうひとつの国の大統領が、あちらこちらの国の国会や議会でリモート演説しているらしい。でもぼくは聞いていない。コメントも飛び交っているらしい。そんなもの読みたくもない。けれどそんな今だからこそ、耳に飛び込んでくる曲がある。例えばピンク・フロイドに「戦争の犬たち」だ。 初めて聞いたのはナポリだったと思う。「戦争の犬たち」は、1987年のピンク・フロ

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            礼儀正しくなること

            FBにこんなイタリア語が飛び込んできた。 スピノザの名言だという。出典は調べていないし、定訳があるかどうか知らない。でもイタリア語の形容詞「civile 」(チヴィーレ)が気になった。これをそのまま直訳すれば「人は〈チヴィーレ〉に生まれるのではなく、〈チヴィーレ〉になるのだ」。 思い出すのはボーヴォワールの「人は女に生まれるのではなく、女になる」。たぶんどちらも同じ構文。ボーヴォワールがスピノザの言を借用したのだろうか。これも調べていないのでわからない。わかる人がいれば教

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            誰の言うことを聞くの?

            「Note」に初めて投稿する。使い方がわからないので、いつものブログに訳したジャンニ・ロダーリの "Chi comanda?" をこちらに転載してみた。ふだん使っているのは「はてなブログ」。無料で使わせてもらっているし、大して不満があるわけではない。ただ、こちらのほうが文章が書きやすいかもしれない。そう思ったのだ。では、以下に試訳を転載してみますね。ご笑覧。 イタリア語の原文も載せてみよう。 うん、わるくない。文章はこちらが断然読みやすいかもしれないな…

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