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共生。



愛している。



愛というものは切なく、美しく、脆い。


「愛しているよ。」


そんな言葉をつい最近まで交わしていたとしても、突然、何かのきっかけで別れを告げることになる。

原因は様々、事故、病気、喧嘩。


いつ何時、その愛が壊れるか。そして無くなるかは誰にもわからない。


より幸せになる。

いつだってそのための選択をしている。


その幸せの価値観を他人に決められたくない。好き勝手言わないでほしい。


嗚呼、なんてくだらない世界なんだろう。


* * *


「あなた、今日は何を作っているの?」


「ああ、今日は君の好きなハンバーグだよ。もう少し待っていてね。」


「うん、ありがとう。」


彼とは最近出会い、すぐに交際した。


1人が寂しかった。いや、寂しいというよりかは誰かにそばにいて欲しかったという方がいい。


こうして彼の姿を見て、ゆったりとしているだけでなぜかすごく胸が暖かくなるから。



今度こそ、うまくやってみせる。3度目の正直だ。



「はい、できたよ。」


「わあ、美味しそう!」

「いただきます」


2人同時に食事の合図。無言の部屋に響く、咀嚼音と食器の当たる音。


「とっても美味しいわ。」


「そうか、ありがとう。嬉しいよ。」





ピーピーピー。

エラー303。エラー303。

ピーピーピー。



ああ、どうして、まただ。ああ。


すぐに電話をかける。

プルルルル。


「すいません。先月おたくの商品を買わせていただいた日野なんだけど、また故障したみたいだわ。これで3度目よ?保険効くわよね?」


「はい、すいません。こちらの不手際でした。もちろん保険は効きますのでご安心ください。お詫びと言っては何ですが、新しい機種の主夫ロボットを提供させていただいてもよろしいでしょうか?」


「え、ええ、新しいのがあるならそれがいいわ。とにかく早くして。」


「はい、それでは後日配送させていただきます。失礼します。」


ガチャ。


* * * 


「オーライオーライ」

マンションの前には大きなトラックが止まっていた。

あのロボットの配送だ。



「ねえ聞いた?あの日野さん、また新しい主夫ロボット買ったらしいわよ。」

「あれで確か3回目よねえ。どんな生活をしてるのか、不気味だわ〜。」



 ピンポーン



「日野さん、ヤハト運輸です。ロボットの配送に伺いました。」


「空いてるわ、早く置いてって。」




ああ、これが最新のロボットいい顔してるわ。

あの隣人どもに見せつけてやりたいわ。


人の気持ちも知らずに言いやがって。勝手にしろ。


「ええっと、スイッチは、、あった。」


ポチ


「ナンバー03、起動します。」


* * *



果たして人や動物以外にも「愛」を伝えていいのか。

人工知能 AI

様々な技術発展が行われている中で、どう向き合っていけばいいのか。


あなたの周りにもし、ロボットなどを恋人にしている人がいたら、どう思いますか?








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