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東京大学教育学部3年・21歳 自分の人生を振り返りながら思ったことを書きます

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東京大学教育学部3年・21歳 自分の人生を振り返りながら思ったことを書きます

記事一覧

ひまわりの墓

種まきの春 「こんな狭いところにたくさん植えちゃって、大丈夫かな。」 「大丈夫、ひまわりは強いから。」 19歳の春、こんな会話をしながら、私は母とひまわりの種を蒔…

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2週間前
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うつ病入院体験記

20歳、大学2年の春休みに入院 私のうつ病は、責任の重い学生団体での活動、孤独な大学生活の中で徐々に悪化していった。そして2023年12月、私は初めて向精神薬のオーバー…

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2週間前
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「メンヘラ」はメンタルヘルスを救うか〜「病み」と「闇」の形容〜

「メンヘラなの?」 とある都内のカフェ。私は1つ年上の男性の友人と話し込んでいた。 利害関係のない人なので、何を話しても大丈夫かなという安心感から、私はつい込み入…

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3週間前
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最後の遺書

遺書を書くということ 「最後の遺書」と聞いて、違和感を感じる人が多いだろうか。「頭痛が痛い」のような二重表現にも見える。 鋭い人はこの表現でわかったかもしれない…

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4週間前
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生きづらい私たち〜精神病院で出会った少年の話〜

入院と出会い 寒い冬から、少しずつ暖かい日が増えてきた3月の下旬、私は精神病院に入院することになった。 入院患者の大半が高齢者である中で、いつも元気な、一際目立…

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1か月前
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ひまわりの墓

ひまわりの墓


種まきの春

「こんな狭いところにたくさん植えちゃって、大丈夫かな。」
「大丈夫、ひまわりは強いから。」

19歳の春、こんな会話をしながら、私は母とひまわりの種を蒔いた。場所は、家の庭ともいえない、小さな土のスペース。元々は百日紅の木が生えていて、毎年夏に紫色の綺麗な花を咲かせていたが、ついに木を切ってしまい、寂しくなっていた。そこで、私の好きなひまわりをたくさん植えてみようと思い、種を買いに

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うつ病入院体験記

うつ病入院体験記


20歳、大学2年の春休みに入院

私のうつ病は、責任の重い学生団体での活動、孤独な大学生活の中で徐々に悪化していった。そして2023年12月、私は初めて向精神薬のオーバードーズをした。もう楽になりたい、その一心だった。
そして2024年3月、パートナーとの関係に悩み、起き上がれず声も出なくなる。最後には救急搬送され、医療保護入院(強制入院)となるのだった。

入院1週間前

待ちに待った、彼の誕

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「メンヘラ」はメンタルヘルスを救うか〜「病み」と「闇」の形容〜

「メンヘラ」はメンタルヘルスを救うか〜「病み」と「闇」の形容〜

「メンヘラなの?」

とある都内のカフェ。私は1つ年上の男性の友人と話し込んでいた。
利害関係のない人なので、何を話しても大丈夫かなという安心感から、私はつい込み入った話に入ってしまっていた。なぜか家族の話になって、自分はあまり家族と会話をしないと言うと、彼はニヤッと笑って言った。

「そんな闇深そうなこと言うなよ〜。」

私は黙り込んでしまった。自分は闇の部分を見せたつもりは全くなかったのに、闇

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最後の遺書

最後の遺書

遺書を書くということ

「最後の遺書」と聞いて、違和感を感じる人が多いだろうか。「頭痛が痛い」のような二重表現にも見える。

鋭い人はこの表現でわかったかもしれないが、私は複数回遺書を書いている。初めて書いたのは、高校生のときだった。大学受験のプレッシャーに押し潰され、自分で命を断つという選択肢を初めて考えたときだった。まだ親の過干渉がひどく、無断で部屋の整理もされていた時期だったので、隠した小さ

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生きづらい私たち〜精神病院で出会った少年の話〜

生きづらい私たち〜精神病院で出会った少年の話〜

入院と出会い

寒い冬から、少しずつ暖かい日が増えてきた3月の下旬、私は精神病院に入院することになった。

入院患者の大半が高齢者である中で、いつも元気な、一際目立つ背の高い少年がいた。

「はるくん(仮名)は背が高いけど、こう見えてまだ中学3年生なんですよ。」
私が入院してまだ間もない頃、親切な患者の方にそう紹介された。
その頃はまだ私の状態が悪く、軽く会釈をすることしかできなかった。

少しず

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