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魔女タク 重ね耕す 名残の日

サンタのおかげでご機嫌な娘は、習い事に行き、帰りまでしずかな部屋でしみじみとすごす聖夜です。

ふと「ちい~さいころは♪」と松任谷由実の声色が流れてきて、魔女の宅急便を題材に記事を書くようにかきたてます。それに従おう。

初めて魔女の宅急便を見たのは、小学校の体育館でした。今でもやっているのかな、1990年ごろは高学年の児童を集めて映画を流すという、贅沢なイベントがありました。ジブリ作品は、その常連でした。魔女の宅急便もそのうちのひとつでした。

クラスのみんなで集まり、映画館にも行ったことがない子どもたちが大画面で見る。楽しい、楽しい思い出です。

あれから30年がたった今も、魔女の宅急便は色あせることなく味わえる作品です。やっぱり、自分の成長に合わせて見方が変わっていく。それが名作を名作たらしめるんだな、と実感します。

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街並みと喧騒に浮かんでいる二人

トンボ目線だった初上映

小学校の高学年、少しずつ思春期に突入する時期です。おのずと視点は、トンボでした。キキ黒い服の魔女さんかわいい!その感覚で、キキの一挙手一投足に釘付けでした。

当時、好きだった子がその場にいたのかは、もう忘れてしまったけど、きっとその子とこんな風に笑えたら素敵だろうな、なんて思っていたな。

なので、登場人物は、キキとトンボ、黒猫のジジくらいしか、覚えていなかった。

甘酸っぱい、爽快な物語。

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笑い声と笑い顔

街並みと描写に着目していた学生時代

大学時代、ビデオをよく見ていました。Netflixがなかった時代の話です。なんとなく背伸びをした洋画を見ることが多かったのですが、ふと、前述のキキの姿が目に入り、手にしたのを思い出します。

「どうせガキが見るアニメだろ」ガキが分かった口をききかけていたのですが、ほんのりと思い出が立ち込めたのでしょうね。家でこそこそを見ました

その時に着目したのは、映像のすばらしさ。当時は、ヨーロッパに行ったこともなく、今のように写真も自由にみる機会もなかったから、街並みの鮮やかさ、そしてその中で描写される木々と水の美しさが際だちました

さらに言えば、魔女というドローンを駆使した映像美。本当に新鮮だった。

パンやニシンのパイといった食文化、石の生活。そういうのって、リンクしているんだな、と感じていました。そう和辻哲郎梅棹忠雄なんかを読み始めたころでもあったし。

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ほうきに乗りたいよね

そう、そして今は父の視点でキキを見守っている

「いつの間にこんなに大きくなっっちゃったんだろう。」

ここで涙腺が緩くなるお父さんは多いのではないでしょうか。このシーンで、娘はこちらをみてニコッと笑います。「泣かないでよ。」と妻が言います。映画の冒頭でクライマックス

そして、「今夜、娘が旅たちます。」と黒電話で凛と話すシーンを見て、やがては自分もそうなりたいと心の中で願います。危なっかしいことは分かっている、何も手助けできないことは分かっている。でも、自信をもって、娘を信じて、そう言ってあげられるように。

そのあとのキキとトンボ、黒猫のジジの冒険は、だれの視点でもなく、純粋に楽しみます父は、その時、別の場所で暮らしているのだから。

そう、あの小さかったキキも一人で成長していくんだと知っているから。

そして、何かあったら、応援できるようにと準備しているから。

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お転婆さんがかわいいのさ


ということで、自分の成長にあわせて魔女宅の名作ぶりを語ってみました。楽しんでいただけたなら、嬉しいです。お読みくださり、ありがとうございます。

最後に、こうした画像を無料提供してくださるスタジオジブリの太っ腹にも感謝です。

では、よい聖夜をお過ごしください。

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