【architecture】21_21 DESIGN SIGHT|安藤忠雄
昨日のnoteで取り上げた三宅一生氏主催の21_21 DESIGN SIGHTは安藤忠雄氏の設計である
2007年に六本木の東京ミッドタウンに誕生した
超高層ビルの足元に広がる緑の広場に埋設するように延床面積の約8割が地下に埋めまれた建築だ
建物のコンセプトは三宅一生氏のテーマである『一枚の布』をイメージしている
三角形の大きな鉄板の屋根が建物を被せられている
この鉄板は長さが約54m(約450㎡)もある。これだけの面積の鉄板を溶接して平坦に施工するのは並大抵の技術ではないだろう
おそらく日本の施工技術の高さゆえにできた世界最高水準のデザインだ
余談だが、この鉄板技術は21_21 DESIGN SIGHTが完成する2年前に原宿のキャットストリートに安藤忠雄氏が設計した「hhstyle.com/casa」(現在は別の名前になっている)で用いられている
こちらは建物全体を鉄板で囲うつくりで、非常に高い施工制度である
こちらもオススメなのでぜひ見てもらいたい
またエントランスを入ったら見える横長の窓は長さ11.4mで日本一長い複層ガラスである。ガラスの加工もさることながら、コンクリートを打設する難しさや構造的な強度も計算し尽くされているのだろう
内部はエントランスを抜けると地下へ向かう階段を踊り場を挟んで180度回転しながら降りていく
この踊り場が全体を見渡すスペースとして効いているのと回転により気持ちが切り替わる効果を感じるし、建築に動きを作り出している
地下とは思えないほど明るい空間になっている
イベントなどが行えるスペースと、展示空間は中庭を介して適度な距離感と回遊性を生み出している
明るい空間と暗い空間、明と暗が絶妙に配置されている
ここが地下であることを忘れてしまうような不思議な体験のできる空間で私自身何度も訪れている建築だ
21_21 DESIGN SIGHTは企画展を行う施設であるが、museumではなくsightである
ここを拠点に日本のデザインを世界に発信していく基地のようなところである
建築もそのコンセプトに相応しい技術と設計で出来たデザインを感じさせるものになっている
現在は緊急事態宣言により休館中だが、是非とも訪れてもらいたい
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