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物食日記

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美味しいもの、美しいものが好き。 散歩とスナップに夢中。
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2023年11月の記事一覧

朝陽と夕陽

朝陽と夕陽

葉山の自宅と久里浜の仕事場を往復する毎日。冬を迎えて、通勤路を山まわり、半島中央の縦断バイパスからなるべく温かな海沿い南下ルートに変えた。12月に迫り、いっそう日の出が遅く、日の入りが早くなり、寂寥感募るのを受け止めながら道端の光景を見つめ、気晴らしの要素を日々見い出そうとあがいている。

相模湾から金田湾、半島の西側から東側へ。帰りはその逆をホンダ・クロスカブに跨りライディングすることで昇りたて

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冬のカーテン

冬のカーテン

晩秋というより初冬めいて朝晩の冷えこみが厳しくなってきた。寒さに身体が順応モードに移行しようとすると、今週は気温が一カ月前に逆戻り。戸惑いつつも、適度な雨降りと穏やかな寒暖差が仕事で育て始めた新たな花々には塩梅よく、おおむね今季の流れを歓迎している。陽が落ちるのがめっきり早くなり、平日は家に戻ると室内はすでに薄暗い。それで油断していたのだが、よく晴れた週末、日没前に居間で和んでいたら、西向きの大き

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xiomiのバンド交換

xiomiのバンド交換

2,000円台(amazon)という驚異の低価格で自分には必要充分な恩恵をもたらしてくれている中国xiomi(シャオミ)のスマートバンド『Redmi Smart Band2』。

スムーズな起床へ導くさりげないバイブ機能、水と泥まみれになる造園現場での現在時刻表示、爆音に包まれる環境での電話&SNSメッセージの着信アラート、一週間は充電不要なバッテリー。導入して1ヶ月半が経ち日々の重要な場面でなく

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自分史上、最旨な梅酒

自分史上、最旨な梅酒

毎年のマイ恒例行事となった、葉山町下山口の無農薬農園「いさむファーム」での青梅採り。今年も5月下旬にいちばん乗りで樹齢110年の古木から青梅3kgをいただき、黄色く熟すのを待たずにすぐさま梅酒づくりに興じた。ホワイトリカーに漬けて氷砂糖を加えるスタンダード版のほか、今回は初めてラム酒の貴婦人と讃えられる、西インド諸島とフランス・ボルドーの合作『ネグリタ ラム』とオーガニック黒糖をブレンドしてみた。

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ワーク・カーが欲しい

ワーク・カーが欲しい

久里浜での緑地管理仕事で無くてはならないのが四駆の軽トラ。普通はタイヤがスタックして身動きできなくなるような、ぬかるんだ泥地やふかふか土の花畑内などあらゆる地面をスイスイとこともなげに走破する。

その逞しい能力は惚れ惚れするほど頼りになる。小回りもきき、荷台に運搬可能な量もそれなりにある。

掃除も容易だから、汚れも気にせずガンガン積み込める。タフでラフなワーク・カーとしての働きぶりに日々助けて

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激渋な鉱物に誘われて

激渋な鉱物に誘われて

先日まで葉山長柄のアトリエで催されていた榊 仁胡(Sakaki Niko)さんの個展『NETWORK』。

鉱物を素材に心無にして描く水彩画はいったん水に溶けた鉱物がなりたいかたちとなって紙の上に現れ、流れていく。さらなる広がりを想像させつつ心象に深く沁みてきて鉱物とともに旅をしている心地に酔いしれた。

鉱物が自然界の法則から解かれ、望んでいた姿に変容するさまに魅せられ、見入っていると気まぐれな

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プチ旅な通勤路

プチ旅な通勤路

東京に週五日、通勤していたころ、何時何分の逗子駅発横須賀線に乗るか、どの車両のどこの席に座るか決めていた。毎日変わらぬルーティンを遵守し、自分なりにくつろげる小さな空間に収まることで安心感のようなものを得て、都会に向かう苦行、ストレスを少し紛らわせていたのかもしれない。まわりを見渡すと乗客の顔ぶれや位置はほぼ変化がなかったから、この厳密なマイルールに乗っ取る人は多いのだろう。

現在の職場がある横

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ワークマン靴の魔改造

ワークマン靴の魔改造

鎌倉「beach dog's cafe」のアバさんこと魚住(ウオズミ)さんは特価セールの売れ残りスニーカーから宝物みたいなセンス良い一足を見いだす名人。そんな敬愛する彼からつい先日、これは安くて良さげみたい、どうかな?と若宮大路の路上で見せてもらったのがワークマンの高耐久シューズ『アクティブハイク』。価格はなんと1,900円である。

リアルツリーという個性的な迷彩グリーン色をまとい、見た目はなか

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シン灯明皿

シン灯明皿

家で憩う空間はなるべく暗くして、ほのかな灯りでポツンと小さくほんわり照らす。広範囲を明るくし過ぎてしまう天井からのトップライトはもちろん消し、床に近い位置、手元あたりに灯器を置くと暗闇に包まれつつ深い安息を伴う光を得られる気がする。蝋燭のともしびも詩的、静的で佳いけれど、本やスマホを眺めるときは、少し明度を高めたくなる。

そんなときに選ぶ灯器は江戸時代から庶民の生活を支えた灯明皿。いくつか持って

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素人ほど佳い工具が必要

素人ほど佳い工具が必要

欧米人は不器用な人が多いから、拙いスキルを補う優れた工具が発案された。そんなまことしやかな説を聞いたのはいつのことだったか。真偽はともかく、欧米製工具の格好は断然良く、風潮を信じきって選ぶのを基本としてきた。

工具だけじゃない。工業製品全般も真っ先に魅せられるのは欧米の格好よいプロダクト。竣工して18年目を迎えた我が家の風呂場に設けたシャワー混合栓もドイツ、グローエ社の『グローサーモ3000』。

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海辺、ほのかな火で憩う

海辺、ほのかな火で憩う

目下のところ夕焼けがきれいな日のマイブームが近所の葉山一色海岸でのチェアリング。仕事を仕舞った平日あるいは、どこにも出かけなかった週末に空模様を観てから、日没間際にenoの折り畳み椅子と缶ビール一本を携え、30、40分ほどまったりなごむ。

最初はセルフィーなんかを撮るため三脚も持って行ったが、最近はより身軽に。海岸近くの大門商店で缶ビールを買って、カメラはたすき掛けしてサッとビーチに向かう。

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