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海辺、ほのかな火で憩う
目下のところ夕焼けがきれいな日のマイブームが近所の葉山一色海岸でのチェアリング。仕事を仕舞った平日あるいは、どこにも出かけなかった週末に空模様を観てから、日没間際にenoの折り畳み椅子と缶ビール一本を携え、30、40分ほどまったりなごむ。
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最初はセルフィーなんかを撮るため三脚も持って行ったが、最近はより身軽に。海岸近くの大門商店で缶ビールを買って、カメラはたすき掛けしてサッとビーチに向かう。
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陽が沈んだ17時以降はみるみると人が帰って行き、ほぼひとりでひんやりした砂に足を伸ばす。あたりも日増しの速さで暗くなっていくので手元をほのかに照らす灯が欲しくなった。それで、30年ほど前に入手したドイツFEUERHAND(フュアーハンド) の『ランタン 276』。錫のコーティングが錆色にエイジングしたまま放置してきたけれど白灯油を注げば難なく火が灯る。この簡素さ、クラシックな普遍的造形が佳いし、昨今の人気ぶりにも頷ける。
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ランタンの灯、日没の陽。オレンジの暖色に合わせて買ったのは、エビスビールの新作『ヱビス オランジェ』。オレンジピールに、柑橘のような香りのホップを合わせた味わいは劇的な光景によくマッチし、心華やかに酔わせる。
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あたりはみるみる夜の墨色に変容していくけれど空と海面にはかすかなオレンジ色がかすかに映る。その儚い残光を見つめ、心鎮まる。
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雲に隠れていた富士山もシルエットがくっきり浮かび上がってくる。ここからは完全にローカルな世界だ。まだ帰らない人がぼく以外にもちらほら。焚き火している人も居るね。
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海上にもひとり。小舟の影が美しすぎて泣きたくなる。
あれこれ状況説明的なカットをいちいち撮らず、なんならカメラ持たずに、ただこんな情景との出会いを悦ぶことができたらと思ったりしますが、ぼくには無理ですね(笑)。
NO CAMERA , NO LIFE.
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