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ワーク・カーが欲しい
久里浜での緑地管理仕事で無くてはならないのが四駆の軽トラ。普通はタイヤがスタックして身動きできなくなるような、ぬかるんだ泥地やふかふか土の花畑内などあらゆる地面をスイスイとこともなげに走破する。
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その逞しい能力は惚れ惚れするほど頼りになる。小回りもきき、荷台に運搬可能な量もそれなりにある。
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掃除も容易だから、汚れも気にせずガンガン積み込める。タフでラフなワーク・カーとしての働きぶりに日々助けてもらっている。
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今、会社から預かり乗っているのはスズキ・キャリーの4WD。あちこちに錆が浮き、凸凹にへこんでいるけれど、その使い倒し感がむしろ好ましく格好良く思えるのは、正当な働く車の証しだろう。
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通常舗装路での2輪駆動走行と悪路での4輪駆動走行への切り替えはレバー操作で容易に可能。4つのタイヤがしっかりと地面をグリップし始めると、まるで別の車を駆っているような運転に心踊る。まさしく羊から狼への変貌。そのギャップが痛快だ。ごく地味な顔をしていながら性能はスーパー。スズキ・キャリーとともに働くようになってから4WDの軽トラが真剣に欲しくなってきた。
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通勤路脇の酒屋で理想の軽トラが眼に入り、毎日見惚れている。1992年式あたりのスバル・サンバートラック4WDである。
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初代は1961年に登場し、以降2012年の6代目を最後にスバルが自社製造を辞めるまでスポーツカーのごとく、リアの床下にエンジンを配置したリア駆動のRRレイアウトにした上、部品数が増えサスペンションもコストがかかる四輪独立懸架方式をあえて採用し続けた。つまり、ポルシェ911と同様のコンポーネントを持っていたことで「農道のポルシェ」と謳われ、卓越した走破性と乗り心地を両立させた最強の軽トラなのだ。
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きっと酒屋店主もサンバーのスペシャルな魅力に惹かれ、業務用車をサンバーで統一し、各年代のモデルを買い継いできたのだろう。
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一般道での加速性能を高めた最終型も良いが、ぼくが望むのは、ヘッドライトが丸く、地味で愛嬌ある顔をした古いモデル。昨今は軽トラですらボディ同色のバンパーが標準だが、ぶつけるのが当たり前な現場ではオールドスタイルの分厚く黒いバンパーが相応しい。ワーク・カーは黒バンパーに限ると思うから、丸目&黒バンパー、マニュアルミッションのサンバートラック4WDが乗りたくて、欲しくてたまらない。ポルシェでもフェラーリでもランボルギーニでもなく、ぼくが今、心底リスペクトし、憧れるスーパーカーはサンバーなのである。試しにググってみると中古車価格は走行距離3万キロで40万円弱。頑張れば手が届きそうだから、煩悩に惑わされる要素がまたひとつ増えてしまった。じつに困った(笑)。この酒屋の敷地内に廃車っぽい一台が放置されているから、店主に相談してみようかな。
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