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物食日記

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美味しいもの、美しいものが好き。 散歩とスナップに夢中。
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2023年5月の記事一覧

オートミールのスウィート

オートミールのスウィート

鳥の餌みたいにボソボソした食感のオートミール。102歳まで生きたアメリカかぶれの祖父がミルクに漬けて嬉々として日常的に口にするのが子供心で正直信じられなかった。あんなものが美味しいんだろうか?と疑念を抱きつつ、試食する機会をずっと避けてきた。北米を旅してのMLB観戦やコカコーラ、ハンバーガー、リーバイスのデニム。アメリカン・カルチャーに傾倒し、物好きだった祖父の嗜好をいつの間にやら継いでいたぼくは

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ヘルスウィなスウィート

ヘルスウィなスウィート

たびたびの投稿からお気づきでしょう。甘いものに目がないぼくの嗜好を。好きなあまり、家でも素人スウィートを自作しちゃう。最近はかずさんのレシピがにわかにマイブーム。とりわけヘルシーに心身を満たすスウィートにぞっこん。いくつか真似して味わい楽しんでいる。

まず着手したのは『コーヒー蒸しパン』。毎朝たっぷりのコーヒーを淹れるから、ごく自然な流れでやる気スイッチが入った。多々ある公開レシピのなかでも、か

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ブルーアワー

ブルーアワー

週ニは朝から雨が降る今年の梅雨、かなりやばい。雨の日は仕事にならない植木職の方々、嘆いているのでは? 

ぼくのように日給月給が基本の業界だから生活のピンチ。来週は台風がまっすぐ向かってくる予想だし。まったく憂鬱で深刻な現況だからこそ現実逃避に走っちゃう。

早めの夕食は酒呑んで、ふて寝したいところだけど、食後にビーチへ向かい気分転換。どんより曇った空、厚い雲。まったくもってして映えない景色だから

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今春も梅入り

今春も梅入り

ここ数年、5月が終わりに近づくと葉山町下山口の無農薬農家「いさむファーム」へ青梅摘みに出かける。季節の風物詩みたいなルーティンだから、もう一年が経ったかと前年までの軌跡を振り返る機会にもなっている。

110歳の神々しい古木にまた向き合う。根元は枯れている箇所があるものの老いてなお葉を茂らせ、たくさんの梅を実らせる生命力が圧巻。

樹皮のほとんどを覆う地衣類はあたりの大気が澄み渡っている証。緑青み

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ケーキを2つ

ケーキを2つ

大好きなコーヒー&ケーキショップ、横須賀野比の「TAKAHASHI COFFEE」は日曜日が休み。なんとも悩ましいけれど、チャンスが限られているから逆にきっぱりと諦めがついて日曜日に行けない理由を探す必要は無いし、土曜日に向かえる日は前日から嬉しさが倍増。高揚感でなかなか寝つけないくらい愉しみになる。店主の高橋さんは謙遜するけれど、インスタの投稿も巧みで、パティシエでもある彼女が作るケーキの紹介は

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緑七割の原則

緑七割の原則

視界の七割を植物の緑色が占めるとき、ぼくは深く安息することができるようだ。熱帯都市化した東京でも野生植物が繁茂する地域はあるけれど、家のなかから見える場所はかなり限られているだろう。

葉山一色の現住居は常緑樹が多い山の麓だし、前の地主系一族は広大な敷地に多様な樹々を植えている。おのずと生活しながら豊かな緑が眼に入ってくるのが魅力だ。山と海が近い葉山ですら開発住宅地は緑乏しいエリアもあるから、自分

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ハワイ、逗子、葉山のウィンドチャイム

ハワイ、逗子、葉山のウィンドチャイム

25年ほど前、ハワイ・カウアイ島の海岸線ナパリコーストをカヤックで旅したとき、ウインドチャイムの音色に魅了された。北米人が営むB&B(朝食とベッドを供する宿)のプールサイドに掛けられていたのがニューヨーク、ウッドストック・チャイムス社のウィンドチャイムだった。谷向かいの断崖から滝がいく筋も流れ落ちる、水の精に包まれるような空間。そこで聴くそよ風が奏でる優しい音にうっとりと心酔し、ここは天国ではない

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川辺嗜好

川辺嗜好

ぼんやりと思考をめぐらせる散歩の時間が大好きだ。ゆっくり歩く速さで景色を眺め、空気と光に包まれながら地域に自分を溶けこませていく。あてもなく目的もなく、ぶらぶらできれば佳いのかもしれないけれど、A型のぼくはコース取りのプランニングをきっちり行い、忠実になぞり、ゴールのご褒美を決めてから向かう。

ルートは人が少ない川辺を選ぶ率が極めて高い。水の際、それも川や運河、橋の近くを好んで志向するのはなぜな

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エルマリートと時々歩く

エルマリートと時々歩く

ライカを散歩の友にするようになったのは1995年ころだったかな。M6というフィルムカメラが新品で20万円ほど。銀座のレモン商会には今では信じがたい安値で並んでいた。M6に合わせて選んだのが広角レンズのエルマリート28mm f2.8球面。1964年から現在まで改良を重ねて造られている定番製品。ぼくが入手したのは、その第四世代、1993年から生産が始まったモデルだった。

地味で平穏な描写は癖が無く、

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ウニッコLOVE

ウニッコLOVE

椅子や照明、陶器、ガラス、カトラリー、テキスタイルなど北欧の物に心奪われ、嬉々と買い集めては生活の中心に据えていた熱中時期がありました。洗練した日用品を日々使い昂る気持ちはだいぶ落ち着いたものになりましたが、いくつかは今もぼくの毎日を支える大事な宝物。

その代表格がケシの花をモチーフにしたマリメッコといえば的なウニッコ柄のブランケット。冬からまだ夜は肌寒い5月まで身体を温めてくれ、まさしく肌身離

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おんらくライフ

おんらくライフ

東京・佃島から葉山に移住したのは1998年。引っ越してすぐご近所パトロールよろしく、近くの一色海岸を散歩していたときにたまたま海の家「Blue Moon」でパーカッショニストの鈴木キヨシさんが楽器づくりのワークショップを開いていて、リラックスしたムードにうわっめちゃくちゃ楽しそう!と飛び入り参加した。

キヨシさんは音楽を「おんらく」、楽器を「らっき」と位置づけ、「楽しさ」の視点から楽器づくりと音

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ひょうたんな憩い

ひょうたんな憩い

iPhoneを充電しつつ、インスタ投稿を閲覧したり自身のblogを更新しながらSpotifyのお気に入りアルバムをTVモニターやワイヤレススピーカーへWi-F iまたはBluetoothで飛ばして聴く。そんな便利で至極楽チンな無線ミュージックライフがぼくの家での日常になった。一日の疲れをリセットするひとときに、デジタル漬けになる行為が視覚、聴覚を通じて心身に悪い作用をもたらしているんじゃないか。つ

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ドムドムのちバラ

ドムドムのちバラ

店舗数がごく限られているドムドムハンバーガー。家から至近なのはどこかなと検索したら金沢文庫のイオン内フードコートに出店しているとわかり、連休中ぶらっと出かけてみた。

ちょうど期間限定の『餃子バーガー』なる変わり種を販売始めていたので迷わずオーダー。大ぶりな揚げ餃子が存在感に満ち、ボリューミーな美味しさに異端児的バーガーショップの魅力を味わえた気分になった。

プラス50円でセット可能な『ソフトフ

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シン・マイ・ビーチク散歩

シン・マイ・ビーチク散歩

自分好みに整えた高速ビーチクルーザー。新生後に目指す場所はG.W.前から決めていた。葉山町長柄交差点の「Dark Arts Coffee」一択である。葉山一色の自宅からのんびりペダルを漕いで片道10分、ただ一杯のコーヒーを呑みに行くだけの小冒険。後輪がはずれるなど不意のトラブルを発しがちなストイックな自転車での散歩は町内限定の範囲で自分には充分なのだ。

軽く気合い入れてGO! 頭の保護には16

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