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ひょうたんな憩い

iPhoneを充電しつつ、インスタ投稿を閲覧したり自身のblogを更新しながらSpotifyのお気に入りアルバムをTVモニターやワイヤレススピーカーへWi-F iまたはBluetoothで飛ばして聴く。そんな便利で至極楽チンな無線ミュージックライフがぼくの家での日常になった。一日の疲れをリセットするひとときに、デジタル漬けになる行為が視覚、聴覚を通じて心身に悪い作用をもたらしているんじゃないか。つい先日の夕暮れに根拠なく、ふとそう考えてしまった。

天井からぶら下がる「ひょうたんスピーカー」を見上げて、よしっ、まずは有線に還ってまずは音楽をアナログで楽しもうと決意した。

2005年に購入したスピーカーは画家の秋元しゅうせいさん製作。アンプ接続用の『taoシリーズ』で、当時、葉山かやの木テラスにあった洋服店「SUNSHINE+CLOUD」の店内にて同シリーズのスピーカーからささやくような音量で聴こえる、ナチュラルで心地よい音質に強く魅せられたのが入手のきっかけだった。

ひょうたんスピーカーに合わせて葉山町内の音楽家、音響エンジニアの故・藤川正雄さんにアンプを作ってもらった。小型で簡素な佇まいながら、スピーカーとの相性が良く、PCやスマホから流れるデジタル音源をとても気持ちいい音に増幅してくれる。ただ、自分で18年前に用意したアンプとイヤホンジャックをつなげる安価なオーディオケーブルが経年劣化か不快な雑音が入り、音もこもって聴こえるようになった。

先日、ものは試し的にamazonにて香港のメーカーSyncwire社のAUXケーブルを購入し、iPhoneのLightning端子とアンプのAUX端子(ステレオミニプラグ)をつなげてSpotfiyのお気に入り音楽をひょうたんスピーカーで聴いてみて心底仰天した。

雑音は消え、音質は澄んだクリアなものに激変。ケーブルの違いでこうまで音が良くなるのかと、あまりの劇的な変化に感動した。まるで別物みたいにスピーカーが生き生きと真価を発揮しているから嬉しくてたまらなくなった。

デジタル音源だとしても有線で伝導した音楽はひょうたんの内部で共鳴。ひょうたんの楽器が奏でているかのごとく優しく柔和されるから不思議だ。カドが取れ、まろやかに耳へ届く。そんな印象。疲れきった晩にWi-FiでもBluetoothでもなく、無線とは距離を置いてアナログな「ひょうたんミュージック」で心安まる夜を過ごしていこう。NOひょうたん、NOライフ。

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