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緑七割の原則
視界の七割を植物の緑色が占めるとき、ぼくは深く安息することができるようだ。熱帯都市化した東京でも野生植物が繁茂する地域はあるけれど、家のなかから見える場所はかなり限られているだろう。
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葉山一色の現住居は常緑樹が多い山の麓だし、前の地主系一族は広大な敷地に多様な樹々を植えている。おのずと生活しながら豊かな緑が眼に入ってくるのが魅力だ。山と海が近い葉山ですら開発住宅地は緑乏しいエリアもあるから、自分がこの土地に出会えたのは幸運だった。
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土間南側に設けた引き戸は春から初冬にかけて少し開けている。小さな庭に茂る月桃や芭蕉のトロピカルな葉越しに贅沢な借景も楽しめるから。夕方には強烈な西陽が植物に差し、緑が輝き、劇的な光景を見せる。
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梅雨前の今は気温も塩梅よく、秋と並んで体感的にも最高に心地よい緑の景色となる。
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サンキャッチャーのプリズムが土間に虹色を染め揺らぐ。
この光と緑ともに、ずっと日々過ごしたい。そう願いながら、今日も一日じゅう植物を整える仕事に向かう。
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