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ケーキを2つ

大好きなコーヒー&ケーキショップ、横須賀野比の「TAKAHASHI COFFEE」は日曜日が休み。なんとも悩ましいけれど、チャンスが限られているから逆にきっぱりと諦めがついて日曜日に行けない理由を探す必要は無いし、土曜日に向かえる日は前日から嬉しさが倍増。高揚感でなかなか寝つけないくらい愉しみになる。店主の高橋さんは謙遜するけれど、インスタの投稿も巧みで、パティシエでもある彼女が作るケーキの紹介は食べたい欲を猛烈にそそられる。

旬を大事に作るケーキには今いちばん美味しい地元の果実を和えている。フレッシュで上質、しかも自家焙煎したばかりのコーヒーを淹れるのと通じ、信条は揺るがない。素材も豆も生鮮食品と捉えているから、栗や苺の季節が終われば人気のモンブランやショートケーキはショーケースから消える。一年中、それらを口にできるのがおかしく間違いなのだと、この店を訪ねると改めて気づかされる。先日は横須賀長沢「SHO FARM」の真っ赤に熟した採れたてラズベリーを用いたケーキが短い期間のみ店頭に並ぶとの知らせがあり、何を差し置いても味わいに行かなくてはと、あらゆる予定をキャンセルして葉山から三浦半島を南下、急行した。

深煎りコーヒー(ノンシュガー)のゼリーにアーモンド風味で優しい甘さのブランマンジェを合わせた大人のゼリーは最強の推し、と言われたらもう両方いただくしかないでしょ! 

この2つのケーキと相性抜群(マリアージュ)なコーヒーを尋ねたら「コスタリカ(ウェストバレー・ビジャサルチ)」の豆がいいと思います、と高橋さん。豆の焙煎具合と味わいの特徴からソムリエみたいにベストマッチをズバッと即答してくれる、このプロフェッショナルな姿勢をぼくは心から信頼している。ちなみにこの豆は中煎りで、突然変異して小型化した希少な品種。オレンジのような酸味、ほどよいコクと苦味、甘味の余韻が続くとのこと。

東京のコーヒー聖地「カフェ・バッハ」で研鑽積んだ彼女が豆の個性を最大限に引き出す焙煎とドリップが素晴らし過ぎて、今回もまた心酔。SHO FARMのラズベリーと津久井浜の紅ほっぺも最高だし、コーヒーゼリーの甘さとビターさ加減の妙にも感動。深く満ち足りた。

と言いつつ少し後悔している。目下のラインナップでは密かに人気ナンバーワンらしいレモンタルトにも手を伸ばさなかったことを。やっぱり3ついっちゃうべきだったか? レモンの時季はいつまでだったっけ? 次なる機会まであるかソワソワ悶々とし始めちゃいましたよ。

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