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物食日記

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美味しいもの、美しいものが好き。 散歩とスナップに夢中。
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2022年7月の記事一覧

アトリエランプの改良

アトリエランプの改良

先日、自作ペンダントライトにブリキ板のリフレクターを加えてアトリエランプ風に改良。横方向からの眩さは軽減できたが、ランプの下から見上げると電球の強く暑苦しい暖色光が眼にキツく感じてしまう。長寿命のLED電球は便利だし、集光性の高いレフ電球タイプの機能は読書に役立つ。明る過ぎるLED電球の灯りをなんとか抑えられないか。そこでお気に入りの和紙に頼った。

徳島、アワガミファクトリーの『ランプ用原紙』で

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仕事帰りの寄り道シューズ

仕事帰りの寄り道シューズ

鎌倉で植木仕事に勤しむ毎日。葉山一色の家まではバイクで30分弱の帰路で、渋滞をパスし、真夏の風を全身で浴びて走る爽快さを愉しんでいる。そんなウィークデイにたまには気分高まるひとときを過ごしたいと鎌倉、逗子、葉山でスイーツを味わったり、買い物で寄り道する日もある。

格好は乗馬ズボンに足袋の植木職正装。スーパーやドラッグストアに寄る程度なら気にならないけれど、さすがに洒落た店でイートインする場合には

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葉山一色海岸で花火

葉山一色海岸で花火

昨晩は葉山の花火大会。今夏も開催されたことを悦びつつ見物。週末ではなく平日に打ち上がる日程も、短時間、小規模の打ち上げ数も佳い。ローカル住民のなかでも奥さんと子どもたちが小さな歓声をあげながら、ささやかな夜の華を見上げる。ビーチタウンの、のどかなムードが心地よい。

日没後のマジックアワーに海岸近くの大門商店でドリンクと菓子を買って、いつもの定位置、波打ち際に座る。間近に観るなら、隣地域の真名瀬や

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おはよう蝉

おはよう蝉

鎌倉へ植木仕事に向かおうと、朝6時半にいつも通りに通いの脚、クロスカブに被せたカバーをはずそうとしたら羽化したての蝉と眼が合う。

今夏は抜け殻が少ないなぁと感じていたけれど、盛夏となっていっせいに土中から這い出てきている様子。名残り惜しいようにじっと動かず殻にしがみつく姿が健気で、見納めを惜しんでしばらく観察。

いっこうに動く気配が無いので、たまらずそっと身体を持って近くの木に移動。この蝉はい

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アトリエランプ

アトリエランプ

先日、土間のベンチコーナー用に自作したペンダントライト。

スイッチ付きソケットと光が集まるレフタイプのLED電球。パナソニックらしい素朴で普通っぽい姿かたちが気に入っているし、倉庫みたいな空間に馴染んでいると思う。

ただレフタイプの特性として光源がかなり眩い。直視すると、この季節は暑さも感じてしまう。ひと工夫必要かなとアイデアをいろいろ浮かべる。単純な解決策はシェードで電球発光部を覆い隠してし

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潮風とウォール・ライト

潮風とウォール・ライト

南西風が強く吹くときは窓が白くなるほど潮水にさらされる我が家。竣工時、その玄関口に取り付けたのがルイスポールセンのウォール・ライト『アルバスルン ウォール』。

イェンス・ミュラー・イェンセンが1962年にコペンハーゲン郊外のアルバスルンド都市開発のためデザインした製品で、今なお製造、販売されている。そのロングライフを大事にする企業の姿勢と海辺に暮らすデンマークの海洋学者が自宅で愛用しているという

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夏の夕飯

夏の夕飯

日曜日は横浜緑地にある妻の実家へ。お昼をご馳走になって畳の上で昼寝。

和室のない自分の家ではできない安息。ああ幸せ。吹きこむ自然風が心地よい。緑が多い土地は樹々の木陰が生む風がよくそよぐ。クーラー必須な都会地にはない恵まれた環境、風土。

蝉の声、子どもたちが遊ぶ嬌声を聴きながら、夕暮れまでごろごろ、まったり。油が弾ける音でのっそり身体を起こす。夕飯までお呼ばれしちゃった。世界一美味しい妻のお母

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ソイワックスを焚く朝

ソイワックスを焚く朝

老人の兆候かもしれないが、疲れから早寝するぶん毎日朝4時前後には自然と眼がさめる。植木仕事に向かう日はもちろん、休日も。一日予定の定まっていない朝はまだ薄暗く、蒼い光がほのかに差す土間でコーヒーを味わいながら小さな灯りを見つめ、ゆったり過ごす。その穏やかな時間がとても好きだ。

ベンチ脇の燈明皿に載せるのはIKEAの安価なティーキャンドルを常としているが、先日思いもかけず上質なものをいただいて、し

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ベンチコーナーの灯り

ベンチコーナーの灯り

家の土間に設けた、くつろぎや読書のためのベンチコーナー。そこにささやかなトップライトが欲しくてペンダントライトを自作。

座る定位置に合わせて吊り下げる。電線コードは背景のシナベニア建具に合わせてベージュ色を選択。スイッチ付きソケット、電球ともパナソニック製。白いコードに白磁ソケットを合わせたら、もっと洒落たムードになるけれど、武骨さが場にふさわしいと普通の物を組み合わせた。そのちょうど佳い感じの

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ペンダントライトの自作

ペンダントライトの自作

土間の快楽ベンチコーナーで読書するため、手元だけにほんのりとした灯りが欲しくてペンダントライトを自作。植木仕事から戻って夕飯前にちゃちゃっと。所要時間30分ほど。

電気コードや端子、専用工具をamazonで取り寄せ準備。電球を付ける『キーソケット』とコンセントに電線を繋ぐ『ローリングキャップ』は信頼のパナソニック製。家の電気工事を美しく施工してくれた鎌倉材木座の中山さんから贈られたオリジナルペン

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赤い線香

赤い線香

夏の植木仕事は熱射にひたすら耐えて手を動かす。空調服を纏い、現実を受け入れ職務を果たしていく。暑さ以上に能動的な用心と対策が必要なのは虫のアタック。とくに一日中、凄まじい数で飛来する蚊が悩ましい。

近くのドラッグストアが扱うような蚊取り線香では頼りなく、分厚く長持ち、たくさんの煙が立つ児玉兄弟商会の『富士錦 パワー森林香』をこの仕事に就いてから燻らせるようになった。一般的な蚊取り線香より強力な防

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ベンチの工作

ベンチの工作

20数年、青山骨董通り近くにあったブックギャラリー&カフェ「IDEE」。店内に置かれた休息用ソファの座り心地があまりにも良くて現品を譲ってもらった。分厚いクッションが台座と背もたれに付いていたが、経年劣化で汚れが取れなくなって、思いきって除去した。ナラ素材のフレームは重く頑強で、そのうち活用しようと2年が経過。はじめはサイズが合うクッションを買って、また極楽ソファにしようと考えたが、街で見かけるベ

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ベンチの考察

ベンチの考察

店の前や公園に据え置かれたベンチ。居間のソファと違って深く休息するというより、一時的に腰を下ろして短時間休憩するための椅子。

マンハッタンとブルックリンのマップ制作のためにリサーチしながら歩きまわったとき、街のそこかしこにあるベンチの多さに驚き感心し、いっぺんでニューヨークの虜になっちゃったんです。

地元の人たちは散歩や買い物の途中で腰をおろしておしゃべりしたり、くつろいだり。束の間の憩いを楽

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フランス白磁とドーナッツ

フランス白磁とドーナッツ

ぼくが90年代にひとり暮らしを三浦半島の海辺で始めたとき、最初に買った器は柳宗理デザインの白い陶器の皿でした。その皿が気に入って、なんでも盛って食事していたけれど、そのうち工業製品的な無地の素っ気なさ、味気なさを冷たく寂しく思うようになり、民窯の登り窯で焼かれた、伝統的な文様が施されたり、無地でも地域特有の土色を帯び、奔放な炎の作用が眼に心地よい器を選び使うようになりました。

そんな「民藝派」の

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