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幸齢者だって自己決定が大事。ACPを知っていますか?

昨日、野本響子さんがこのような記事を書かれていた。

野本さんと言えば「教育」のイメージ。
マレーシアへ教育移住された話は、私から見ると凄く遠い世界の話だ。
「憧れるけど、ちょっと無理そうだな」と感じてしまう。

そんな野本さんでも「介護」という日本中の誰もが?ぶつかるであろうライフイベントに直面するのか!と、ちょっと親近感を覚えた記事だった。

この記事を読んで、ずっと温めてきた?件について書いてみたいと思う。

80歳を過ぎたら幸齢者


私は仕事で70代、80代の人とよくお話する。
また、70代以上の親を持つお子さんとも沢山お話する。

そういう方とお話をしていると必ず「医療」「介護」にまつわる話題が出てくる。

敬老の日に「いつまでも元気で長生きしてね」という言葉がよくつかわれているけど、「元気」の定義も難しいし、実際に高齢期を迎えた方と同居する方の中には明らかに疲れている家族も多い。

そんな中、少し前にベストセラーになった「80歳の壁」を読んでみた。

すると冒頭からいきなりのパンチである。

男性は9年間、女性は12年間。この年数が何を示すか分かりますか?
実はこれ、病気や認知症などで寝たきりになったり、誰かに介助されながら生きる平均期間を表したものです。
(中略)
誰だって、人生の最後まで好きなことをして、好きなものを食べて、自由に、自立した生活をしたいと願っています。
しかし、そうはいかない。これが「世界一長生き」と言われる日本の現実です。

80歳の壁

そうなんです。
あくまでも平均データですが、皆が皆80歳、90歳、100歳まで元気!ではないんですよね。

昔は80歳と言えば「人生のゴール」という印象だったのに、昨今「人生100年時代」と言われ、ゴールがいきなり20年も先になった。
その事によって、80歳を過ぎても「健康の為」「健康に悪いから」と色々な事を我慢している80代が多い。
そこに一石を投じる本です。

著書の中では、80歳以上の方を敬意と温かみをこめて「幸齢者」と呼んでいます。

患者さんが選択する

80歳の壁の中では、高齢者の医療についてこのように書いてあります。

85歳を過ぎた人は、体の中に「複数の病気の種」を抱えています。
(中略)
この状態で病院に行けば、たいていの医師は検査をしたり、薬を出したりするでしょう。現代においては、それが当然の医療だからです。
(中略)
医師は病院に来た幸齢者に対し「もう年だから、放っておきましょう」とは言えません。であるならば、患者さんが選択するしかありません。
病院で監査をして病気を見つけてもらい、薬や手術をして寿命を延ばすか、自宅や老人ホームで好きな事をしながら生きるのか。
それは、医師ではなく、自分が選択することなのです。
幸齢者になれば、病気は全快しません。一時的に快方に向かっても、悪い部分は次々と現れます。厳しい言い方ですが、それが年を取るという事なのです。

本の中では、財政破綻をした夕張市の例も紹介されていました。
夕張市は財政破綻により総合病院が閉鎖、小さな診療所のみになりました。
高齢者の多い町で心配されましたが、死亡率に大きな変化は見られず、死因の中で「病気」が減り、「老衰」が増えたそうです。
つまり、「検査をして病気を発見して治療する生活」ではなく、自然に生活している中で徐々に体が弱って亡くなる人が増えたという事。


これを知って、私は本来はそれが理想的だなと思いました。
勿論「在宅介護」となれば家族の負担もあるので一概には言えません。

でも、幸齢の方って「病院好き」が多くないですか?

以前皮膚科の待合室にいた時、お婆ちゃん同士の会話が聞こえてきました。

「今日はどうしたの?」

「うん、ちょっとここ(手の甲)がカサカサだから薬もらいに来たの」

まぁ、皮膚科なので分かりますが。
「病院は憩いの場」と言われる事が多いように、幸齢者の中には「趣味は病院通い」と言える位あちこち通う人いますよね。

国民皆保険だから、数百円で診察が受けられるから。
そんな背景がある気がします。
今議論になっている社会保障費膨張の根本原因はこういう部分ではないか?と思うのです。

そこで思い出したのがACP。

ACPとは?

ACPとは、将来あなた自身が病気になったり介護が必要になったりしたときに備え、これまでに大切にしてきたことや、これから誰とどのように過ごしたいか、希望する医療や介護のことなどについて、家族や大切な人、医療・介護関係者とともにあらかじめ考え、話し合うプロセスのことを言います。

ACPについては、東京都のHPに詳しく紹介されています。
また、話し合いのプロセスを記録する為の小冊子が印刷できます↓

ACPに関するセミナーを聞いた時に、印象に残った言葉がありました。
それは「救急車を呼べば、病院は必ず救命活動をしなければいけない」という事。

つまり、患者さんの命を救う為にはその先がどんな生活になったとしてもまずは「助ける」という事です。

家族も親の意向を聞いていなければ、「何とか助けて欲しい」って思いますよね?

でも、予め家族と「〇歳になったら自然に任せたい」とか「家族との時間を優先したい」とか、話し合いができていれば家族が選択をする時の「心理的な負担」も減ると思います。

親と話すキッカケ?凄い動画を発見


ACPに関する書籍を探していた所、凄い動画を発見しました。

なんと!竹中直人さんです( ゚Д゚)

自分の終末期について考える「高齢者役」として主演されています。
短編ドラマですが、とてもリアルで引き込まれました。

もう一つ。

こちらは高島礼子さんです( ゚Д゚)!!!

夫の健康診断結果を心配する妻役で主演されています。
夫の健康状態を心配する妻と、それを疎ましく感じる夫の言い争い?がこちらも凄くリアル。

ここまで有名な俳優さんが主演されると、ACPなんて湿っぽい話題だとしてもついつい見入ってしまいます。

私自身の方針は結構ハッキリしているのですが、親の意向を聞き出すのはハードルが高いので、こういう動画をキッカケに話し合う事ができたらな…と思っています。

自己免疫力を高めた方が幸せ


本の中では「コロナ」についても触れられていました。
幸齢者が家族に一切面会できずに亡くなった事や、ワクチンについて等。

でも「医療」って完璧ではないと思うのです。

結局ガンも虫歯も「切り取る」事しかできないわけで。
薬も「症状を軽くする」事はできても根本的に治すことはできない。

だったら自己免疫力を高めて、薬や医療に頼らない生活をしたい。
それは「病気になった」とか「高齢になった」という理由で始めるのではなく、今から「健康を意識した生活」をしたい。

という事で、今日の結論もやっぱり
「睡眠第一」と「自己決定」でした。

これからも貫き通したいと思います(笑)

最後までお読み頂き有難うございました。
今日も素敵な一日になりますように☆彡





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