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これは政治の本ではなく、ビジネス書。

私は都民ではありません。
ここ数年でやっと「政治」に興味を持ち始めましたが、詳しくはありません。

誰がどのポジションに就く事が日本にとって最適なのかも分かりません。

だけど、都知事選候補者の顔ぶれを見て単純に「面白そうだ」と思います。
それは誰かが誰かを攻撃したり、ののしり合ったりする所を見たいワケではありません。

会見や討論会で出てくるテーマや、何に重点を置くのか?という話を聞きながら、「自分はどう思うか?」と考えてみるのが楽しいのです。

その都知事選に立候補した、安芸高田市の石丸市長が初めて出した著書を読みました。
私事ですが、同学年なので余計に動向が気になるのです(笑)



無関心=働かない政治家には都合が良い

リアルな知友人、職場の人と「政治の話」をする人は、どれくらいいるだろう?

恐らく多くの人が「政治に問題アリ」とか「不満」を抱えつつも、「自分が何とかしよう」とは思わない。

石丸市長は、本の中で自分が銀行員から市長選へ立候補した時の思いに触れ、当事者意識が芽生えて行動する過程についてこう書かれていた。

たとえば、社会的な活動に無関心だった人が、子どもが生まれることで地域の活動に積極的に参加し出したり、PTAの役員をみずから担ったりすることがあります。
地域の問題が、自分や自分の家族の人生を左右する問題になったからです。
その裏には「自分の子どもの幸せを守りたい」という切実な願いがあるはずです。
どんな問題に当事者意識を持つか。このテーマの裏には、自分がどうありたいか、何を大事に思っているのかといった自分の真の欲求が隠れています。

著書より

読みながら思わず「アレ?私の事ですか?」と笑ってしまった。


石丸市長はこの4年間、徹底的に「政治の見える化」をしてきた。
それは「政治に関心を持ってもらう」「危機的状況にある事に気付いてもらう」という狙いがあったから。

市民が政治に無関心であれば、何もせず前例踏襲で淡々と任期を全うして退職金を貰える。
これは国単位でも同じ事で、私達が「よく分らな~い」って目を背けていればやりたい放題できちゃうワケですよね。

石丸市長は議会で居眠りをする議員を指摘した事で話題になったけど、私達も議会や国会で居眠りしている議員を見ても「くだらない事やってるな~」位にしか思っていなかった。

でも石丸市長が指摘をした通り「仕事をしていない」のだ。
眠くなる程暇、参加する必要がないのに参加している。
そういう事であれば、そもそも仕事にムダが多いって事。

私達国民の財布から給料を払っている事を考えたら、私達は払った金額に値する仕事なのか?をチェックした方が良い。

優先順位


本の中で「優先順位」について触れられていた。

大学時代に学んだ「経済学」の事を
「幸せになるために、どのように資源を振り分けるのが最良か?」という学問だと書かれていた。

自分の幸せの定義を明確にする。
こうなりたいという目標が定まったら、作戦を考える。

これって先日読んだ本の中で「工藤勇一先生からの教え」にも出てきた事。

当たり前だけど、実行力のある人はやっぱりきちんと考えて動いている。

全体最適化


石丸市長が東京都知事選への出馬を表明した直後に発売された本。
色々な作戦や狙いがあっての事かな?と思う。

だけど本の中では都政や、国政についてはほぼ触れていなかった。

でも「全体最適化を考える」と書かれたページは市長から都知事になろうと思った道筋はここかな?と思える点があった。

安芸高田市は複数の町が合併して誕生した市なので、旧町それぞれの主張や拘り、施設があった。
それを「市全体として最適化」を考えたという話。


都知事ともなれば、日本で一番有名な「知事」になる。
国への影響力も、国民への影響力も強くなる。
自分がそこへ行く事が「全体最適化」だと考えたのだと、著書から察した。


会社であれば、上司と呼ばれる人や人事が「あの人はこっちの仕事の方が向いてる」と異動させる。

でも政治家は国のプロデューサーであり、自分のプロデューサーでもあるのだ。

自分の適材適所はどこなのか?を考えて動かなければいけない。

私は都民ではないけれど、国民という当事者として都知事選をよく見ていきたいと思う。

〈あとがき〉
本は「政策の話」と言うよりも、安芸高田市の市長選に立候補した時や、実行してきた政策について、個人の仕事に落とし込んだ時に「こう考えてこう動く」みたいな誰にでも応用可能な方法が書かれていてビジネス書とも感じられる本でした。
過去に岸田総理の本も読みましたが、こちらはほぼ「自叙伝」でした(笑)
石丸市長の本の中には、沢山の漫画が登場し「〇〇という作品のこの場面が…」と漫画の1シーンからどう学んで活かしたか?みたいな事が書かれています。同世代で漫画好きの方にはそこだけでも面白い本かもしれません。
私はりぼんに登場する漫画位しか知らないのであまり分かりませんでしたが(笑)
ちなみに本の印税は全て、安芸高田市の収入となるそうです。



今日も有難うございました!


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