記事一覧
消えゆく音、終わらない音楽――『Ryuichi Sakamoto | Opus』の公開に寄せて③
楽曲解説(続)
引き続き、楽曲の成り立ちについて考察していこう。
Lack of Love
BB
Andata
Solitude
for Johann
Aubade 2020
Ichimei - small happiness
Mizu no Naka no Bagatelle
Bibo no Aozora
Aqua
Tong Poo
The Wuthering Heig
消えゆく音、終わらない音楽――『Ryuichi Sakamoto | Opus』の公開に寄せて②
楽曲解説(続)
引き続き、楽曲の成り立ちについて考察していこう。
Lack of Love
BB
Andata
Solitude
for Johann
Aubade 2020
Ichimei - small happiness
Mizu no Naka no Bagatelle
Bibo no Aozora
Aqua
Tong Poo
The Wuthering Heig
消えゆく音、終わらない音楽――『Ryuichi Sakamoto | Opus』の公開に寄せて①
坂本龍一を追体験する
「最初で最後」になるであろう、坂本龍一のコンサート映画が公開された。
8日間に渡り収録された演奏のうち、20曲の演奏がフィルムに収められ、コンサートホールではなく映画館で、坂本龍一の音楽と向き合う機会が、私たちに訪れたのである。
撮影は坂本が、NHKのラジオ番組「サウンドストリート」の収録でも使用された、NHK509スタジオで行われたという。坂本にとっては特別な空間であ
2つの対話篇 佐々木敦『「教授」と呼ばれた男—坂本龍一とその時代』を巡って ①
それぞれの当事者、それぞれの坂本龍一
佐々木敦『「教授」と呼ばれた男—坂本龍一とその時代』(筑摩書房刊)の出版に際して、佐々木氏をホストに、2つのトークイベントが行われた。
このトークイベントは、佐々木氏がホストを務め、ゲストには、異なる時期、異なる分野での当事者がそれぞれ招かれた。
一人はYMOデビュー以前より、坂本龍一と付き合いのあった牧村憲一氏。そして、もう一人は『坂本龍一トリビュート
GEISHA GIRLS論③ ーー30年後の少年たち
GEISHA GIRLSが蒔いた種
上記引用は、坂本龍一が出演した、映画『戦場のメリークリスマス』からラストシーンでのローレンスのセリフである。
戦場のメリークリスマスのメリークリスマスのワンシーンが示唆するように、GEISHA GIRLSは種を蒔いたのではないだろうか。それはその後の坂本の音楽活動で実を結ぶことになる貴重な種である。
前章が坂本と松本の動機を軸に、当時の音楽シーンを参照しな
GEISHA GIRLS論② ーー30年後の少年たち
松本人志とスネークマン・ショー前章では、GEISHA GIRLSの結成にあたり、松本人志の動機について考察した。それはテレビとは別にお笑いの作品を残すという松本の計画の一環であり、お笑いのビデオのリリースを経て、次はお笑いのCDを作成するという当初のプランが、坂本龍一との出会いによって実現したものであった。
タイトなスケジュールのなか、GEISHA GIRLSのレコーディングを断行した坂本を取り
はじめに ——いま時間が傾いて
いま時間が傾いて
不存在ゆえに、存在感が鮮明になる。
坂本龍一が旅立ってから経った1年は、そのような時間であったように思う。そして、坂本がいなくなってからの1年は、私たちには、非常に短く感じられたのではないか。
なぜだろうか。
晩年に坂本は次のような言葉を残している。
「芸術は長く、人生は短し」
この1年が短く感じられるのは、坂本をめぐる時間の在り方が、坂本という主体を離れ、歴史的なも