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【企業インタビュー】熱気球ビジネスも地域活性化も、高スキル人材のサポートで前進

夏の郡上おどりで有名な岐阜・郡上八幡に、株式会社ヒートバルーン物語があります。一風変わった名前から連想できるかもしれませんが、熱気球のフライト体験を提供するビジネスを行っています。これまでは家族で経営してきましたが、コロナ禍で観光業界が一変したことを機に、外部の意見を取り入れる決断をしました。新たな風を受け入れ、同社はどんな新しい「物語」を紡ごうとしているのでしょうか。Skill Shiftを利用して副業人材を採用した経緯や成果について、同社代表取締役の藤掛裕子さんと天野佐知子さんに詳しく伺いました。


代表取締役の藤掛裕子さん

ー会社の概要について教えてください

郡上八幡に備えた常設会場でのフライト体験はもちろんのこと、各自治体に出張して祭りやイベントを熱気球で盛り上げています。また、水陸両用バギーの試乗体験も行っています。熱気球ビジネスは、母が病気で手術を受けた際、父が「病室から青空に浮かぶカラフルな気球が見えたら元気になるかな」とつぶやいたことがきっかけです。父が気球を購入しパイロットになったので、もう始めるしかなくなりました。結局、家族も巻き込まれてこの事業に携わるようになり、現在は妹である藤掛裕子が会社の代表を務めています。


ー家族経営の組織に外部人材を取り入れようとした契機は何ですか。

以前、地元の信用金庫からSkill Shiftを介した副業人材の採用システムについて聞いたことはありました。しかし、家族経営特有の考え方といいますか、自分たちの理想を追求することにこだわってきたため、外部の意見は必要ないと考えていました。ところがコロナ禍で観光業界を取り巻く環境が大きく変わり、自分たちの考えだけでは対応できなくなりました。この状況を打破するためには外部の意見を取り入れることが必要だと考え、Skill Shiftを通じて副業人材を探すことにしました。


ーどんな人材を求めましたか。

社名のヒート(heat)に込めた思い、つまり情熱の有無がポイントでした。情熱を持って何事にも取り組む人、そしてその情熱で熱気球を上げていく思いを共有できる人を探していました。野外でのアクティビティを楽しめることも重要な条件でした。机に向かって計画を立てるよりも、実際に外で動き、一緒に取り組める人を望みました。

ー募集を出したら17人から応募があったとお聞きしました。どのように選考を進めたか教えてください。

私たちは書類選考を行わず、連絡が取れた16人全員と面談を実施しました。応募書類を通して、私たちが気づかなかった新しい視点や様々な経験を持つ人たちが、こんなにも多く手を挙げてくれたことに驚きました。書類でふるいにかけるよりも、それぞれが熱気球を使ったビジネスや観光業に対してどのような考えを持っているかを聞いてみたいと面談に臨みました。

ー面談はどのように進みましたか。

面談では、応募者みなさんが熱気球の活用案について話してくれました。特に印象的だったのは、多くの人が「熱気球には夢がある」と言ってくれたことです。地方創生の観点から、岐阜ならではの景色をどう見せるかについて語った方もいれば、現実的ではないかもしれないが夢を持ってアイデアを提案してくれた方もいました。

ー採用した方はどのように決めましたか。

最終的に16人の中から3人に絞り込み、その中から一人を選びました。選んだ基準は、会話がとても盛り上がり、私たちの話もしっかり聞いてくれたこと。いわば人柄です。「この人とならしっかり意見交換しながら、長く続けていける」と自信を持ちました。採用した方は大手印刷会社に勤めており、これから大学教員として地方創生について学生を指導していく方でした。日本各地のアクティビティを経験しており、その知識と経験も私たちの事業に貢献してくれると確信しました。


ー副業人材への依頼内容について教えてください。

2023年11月から毎週1回、1時間の定例ミーティングを行い、お互いの課題や宿題を持ち寄って答え合わせをしています。特に、冬期休業明けの4月から常設会場をどのように運営するか、何を変えて何を新しくするかについて議論を重ねています。この過程でまず、制作して10年が経過した会社のホームページを全面的にリニューアルすることにしました。また、副業人材には郡上をどうアピールし、熱気球を活用してどう集客するかについて、さまざまなデータを基にした検討材料を提供してもらっています。

ー副業人材と働き、成果を感じられるものはありますか。

副業人材との協働は、私たちの事業や地域に対する見方を根本から変えるきっかけとなりました。特に、郡上八幡への来訪者数や地域の知名度に関して、これまでの認識が表面的だったことを痛感させられました。副業人材から提供された具体的な数字や分析データを基にしたグラフは、私たちに多くの新たな気づきを与えてくれました。これらのデータに基づく客観的な情報は、地域の魅力やポテンシャルについて改めて発見したり再評価したりする機会を提供してくれました。
さらにこれらのプロセスを通じて、やらなければいけないことが明確になりました。地域活性化へのアプローチは私たちの会社だけでできることではなく、地域コミュニティを巻き込んだもっと大きな組織で取り組まないといけないと痛感しました。この理解を踏まえ、地域の仲間たちと新しい団体を発足させました。副業人材も、この団体での活動に積極的に参加してくれています。

ー今後の目標を教えてください。

郡上の環境を守り地域住民への還元に取り組んでいくとともに、自然体験の魅力をより多くの人に伝えていきたいと考えています。熱気球の楽しさを広めながら、地域活性化に貢献していくことが私たちの目標です。



COMPANY PROFILE

株式会社ヒートバルーン物語
〒505-0121 岐阜県可児郡御嵩町中762-32

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