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【企業インタビュー】食品衛生管理のIT化を副業人材に相談。デジタルに強い人材のおかげでEC売上もアップ

自然豊かな岐阜県の白川町で1948年に創業した一力屋は、地元の素材をふんだんに使ったこだわりの冷凍食品を製造販売しています。75年以上の歴史を持つ同店では、安全でおいしい食品作りを目指し、HACCP(※)と呼ばれる食品衛生管理法への対応を進めてきました。しかし現状は紙による管理のため、作業の負担が大きいという悩みがありました。

そこで業務のデジタル化を目指し、副業人材の活用を決断。その結果HACCPだけではなく、オンラインショップの改善にもつながったと言います。今回は副業人材を活用した経緯や成果について、一力屋代表の佐藤好宏さんに伺いました。

※HACCP(ハサップ)とは、食中毒や異物混入などを防ぐため、食品製造業者が原材料や製造方法などに合わせて衛生管理を行う手法のこと。

一力屋代表の佐藤好宏さん

―現在の事業内容を教えていただけますか?

1948年(昭和23年)に創業しまして、仕出しや惣菜の製造販売を行ってきました。その後は総菜作りのノウハウを生かし、冷凍食料の製造に取り組んでいます。

現在は、朴葉寿司や魚の糀漬といった郷土料理の他、白川産のトマトを丸ごと使ったキーマカレー、地元の豚肉100%のハンバーグなどの冷凍食品を製造販売しています。小さな店ではありますが、丁寧に手作りし、お客様に自信をもって提供することが私たちのこだわりです。

主な販売先は百貨店や通販会社ですが、白川町にある店舗やオンラインショップを通じて、個人のお客様にも直接販売しています。

―副業人材を活用しようと思われた背景を教えていただけますか?

当店は私と妻と、数人のパートで営んでいますので、なかなかパソコンを活用できないという課題がありました。特に今対応が必要となっていることが2つありまして、まず1つめは衛生管理業務です。

最近は食の安全に対する意識も高まっていますので、販売先からも徹底した衛生管理が求められています。ただ当店ではHACCPを全て紙で管理しているので、作業量が多くなっていました。これをパソコンで管理できるようにしたかったのです。

もうひとつはオンラインショップです。自社で運営しているものの、やはりパソコンが得意ではない私たちがやっていますので、詳しい方にアドバイスが欲しいと思っていました。

パソコンに多少詳しいパートの方はいますが、やはり内部だけでこうした対応は難しいと感じていました。そんな時に、地元の金融機関の方から副業人材の活用を勧められ、試してみたという感じです。

―副業人材を募集する時、どのような人材をイメージしていましたか? 

お伝えしたように私たちはITに詳しいわけではないので、上から目線で専門的なことを言われても、ついていけません。やはり私たちと同じ立場で、わかりやすく説明していただける方にお願いしたいと考えていました。

あと私たちが扱っている商品は、どちらかというと女性のお客様の方が多いので、女性のお客様の立場になって、客観的に見てくれる方がいいなと思っていました。

―副業人材の方の募集や採用の経緯を教えていただけますか?

Skill Shiftで募集を行い、その結果1名の方を採用しました。

実は、たまたまネットショップの勉強会で知り合った女性の方が、偶然にもSkill Shiftに副業人材として登録されていました。その方はすごく話しやすい方で、説明もわかりやすく、私たちの課題を一緒に一つずつ解決していただけそうかなと思い、その方に「今Skill Shiftで募集しているので応募していただけませんか」とお話ししました。

その結果、応募してくださったので、採用させていただきました。食品業界の方ではありませんが、IT関連に強い女性の方です。出会ったきっかけは勉強会でしたが、Skill Shiftで募集していたからこそ、この方にお願いできたと思います。

―副業人材の方に依頼している業務内容や期間を教えていただけますか?

副業人材の方には、今年(2024年)の2月からお願いしています。毎月1回こちらに来ていただき、私たちの業務を見ていただいたり、実際にうちのパソコンを操作していただいたり、あとは打ち合わせをしたりする感じです。

衛生管理についてはこれまでの作業記録を副業人材の方に見ていただき、より管理しやすい方法を教えていただいています。オンラインショップについては、まずは見せ方などのアドバイスをいただいています。例えば「丸ごとトマトのキーマカレー」という商品が2023年に経済産業大臣賞をいただいたので、そこをオンラインショップでどうアピールできるかなどを相談しています。

―副業人材の方にお願いした成果や、よかったと思うことを教えていただけますか?

衛生管理の方は、管理しやすい方法を教えていただいたおかげで、パソコンでの管理に着実に移行できています。なお月1回の打ち合わせ以外にも、質問があればその都度副業人材の方へ電話で相談しています。副業人材の方も「何かあれば連絡ください」と言ってくださるので、安心感があります。

衛生管理は、オンラインでのやり取りだけでは完結しません。ですから毎月、こちらに来ていただけるのはありがたいですね。その方は愛知県にお住まいとのことで、わりと近くにいらっしゃるというところも、この方にお願いしてよかったなと感じています。

オンラインショップについては、新商品をすぐ増やすことは難しいので「既存商品を組み合わせたギフトセットを作ってみては」というアドバイスをいただきました。そこでいくつかセット商品を作ってオンラインショップに掲載したところ、すぐに数セット売れたんですよ。まだ副業人材の方にお願いして約1か月ですが、少しずつ成果につながっていてうれしいですね。

大風呂敷を敷くのではなく、私たちの状況を見て、できることをアドバイスしていただけるところが助かっています。

―今後の展望について教えてください。

衛生管理の方については、商品ごとの対応が必要ですので、全商品を完了するまでにはしばらく時間がかかると考えています。最終的には、副業人材の方に教えていただいたことを踏まえて、私たち自身で管理できるように持っていきたいですね。

オンラインショップの方は、今後は季節にあわせたセット商品などを増やしていきたいと考えています。これまでも副業人材の方から的確なアドバイスをいただいていますので、今後も相談しながら、売り上げアップにつながる取り組みをしていきたいと考えています。

COMPANY PROFILE

一力屋
〒509-1112 岐阜県加茂郡白川町赤河1037-16

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