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「その幸運は偶然ではないんです!」を読んだら夢や目標を持つことよりも大切なことがわかった

「その幸運は偶然ではないんです!」

「AI時代」「VUCA時代」などとも言われ、未来の予測がますます困難になっている現在。「いったいどうやって自分の将来(キャリア)について考えればいいんだ!」と悩むことはありませんか。

私も、明確に「これだ!」という一つの夢や目標が今決まっているわけではないので、目標に向かって一直線に進む人って凄いなと思っていました。きっと皆さんの中にも、同じように感じてきた方も多いのではないでしょうか。

そんな私が「むしろこの悩みって強みかも!」と勇気づけられたのが、スタンフォード大学の教授だったクランボルツ教授の「プランドハプンスタンス(計画された偶発性)」という考え方です。

この理論を紹介している「その幸運は偶然ではないんです!」という本に書かれていた印象的な言葉があります。

キャリアは前もって計画できる、あるいは計画すべきだという考え方は非現実的な話です。キャリアは予測できるものだという迷信に苦しむ人は少なくありません。「唯一無二の正しい仕事」を見つけなくてはならないと考え、それをあらかじめ知る術があるはずだと考えるから、先が見えないことへの不安にうちのめされてしまうのです

予測が困難な時代。一つの決まった目標への「地図」だけでは、はじめにあったはずの道が途中でなくなってしまった時に、道に迷って不安でいっぱいになってしまいます。そんな時に、どの方向に進んで行けば良いかを教えてくれる「コンパス」となってくれるのがこの「プランドハプンスタンス(計画された偶発性)」という理論なのではないかと思いました。

皆さんにもぜひこの「コンパス」について伝えたいと思ったので、簡単にですがご紹介したいと思います。

「偶然」を最大限に活かす

「プランドハプンスタンス(計画された偶発性)」理論は、

「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的な出来事によって決定される」

と捉えます。

確かに自分のキャリアを思い返してみても、今の仕事をしているのはほとんど偶然の結果だなと感じます。もちろん大学生になるまで、文化人の秘書なんて仕事があることすら全く知りませんでした。

皆さんも思い返していただければきっと、想像もしていなかったあの偶然が今の生活や職業に多くの影響を与えていたんだなと、思い当たることがあるのではないでしょうか。

この話を聞いた時、キャリアの8割が偶然の出来事で決まるのであれば、残りの2割に力を注ぐしかないのかと最初は思いました。

しかし「プランドハプンスタンス(計画された偶発性)」理論では、8割の偶然の方に意識を向けることが大切だとしているのです。

予想できない偶然をただ待つのではなく、自ら創り出すために積極的に行動したり、起こった出来事に意識を向けて、偶然を最大限に活かしていくという考え方こそがこの理論のポイントです。

「偶然」を活かす5つの行動指針

偶然を最大限に活かしていくために意識すべき行動指針が次の5つです。

①「好奇心」:新しい学習の機会を模索し続ける

②「持続力」:失敗に屈せず、努力し続ける

③「柔軟性」:姿勢や状況を変えることを進んで取りいれる

④「楽観性」:新しいチャンスは実行できる、達成できると考える

⑤「冒険心」:結果がどうなるか分からなくても行動することを恐れない

行動指針の一つひとつを単体で見ると、よく言われることのように思います。
しかし、この5つの行動指針を意識し、それが偶然とかけ合わさることでキャリアを切り拓く力になるのだなと感じました。

「夢」はフワッとしてても良い

「偶然を最大限活かす」という考え方はとても新鮮に感じました。

そしてこの理論にはもう一つ、これまでのキャリアに対する考え方とは異なる面白い点があります。

それは「夢」や「目標」に対する捉え方です。

普通は「夢」や「目標」を設定して、それに向かって進んでいくことからキャリアを描き始める考え方が一般的だと思います。

しかし「プランドハプンスタンス(計画された偶発性)」理論では、

何かをスタートする時に「夢」や「目標」を明確に持たなくてもよく、こうなりたいなというフワッとした抽象的なイメージがあれば良いと捉えています。

新しい活動や興味のある活動に積極的に取り組みながら目標をつくったり、変えていくことができると考えているのです。

明確な目標がないことに悩んでるよりも、自分の興味や関心のあることに取り組み、たくさんの偶然を起こすことに意識を向けて行動すれば良いのだという考え方にはとても勇気づけられ、行動する意欲が湧いてきました。

「コンパス」を片手に進む

「プランドハプンスタンス(計画された偶発性)」理論を振り返ってる時、スティーブ・ジョブズの有名な「点と点」のスピーチを思い出しました。

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。

目標を見据えて、点と点をつなぎ合わせることがより困難な時代だからこそ、一つの決まった道を一直線に歩くことよりも、柔軟に目標を変えながら、偶然を味方につける行動指針(コンパス)を持って進んでいくことが大切なのかもしれません。

この「コンパス」を手にすれば、目標がなく悩んでいた私や皆さんこそ、これまで以上に大きく成長するチャンスになるのではと考えると、とてもワクワクします。

ぜひ皆さんも「コンパス」を片手に、たくさんの偶然を活かしてキャリアを歩んでみてください!

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