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社長の思い

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八鹿警備保障の代表取締役である田路智洋社長による手記。日々の仕事上の気づきや若社長としての心情を赤裸々に綴ります。
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#企業理念

初心忘れるべからず!

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昨日、荻原浩の直木賞受賞作「海の見える理髪店」を読んだ。

さすが、直木賞受賞作だけあって、文章の妙を感じさせる良作だった。

読者が当初イメージしていた登場人物達の位置付けを言葉の使い方一つで覆して最後に全体像を見せるやり方は歌野晶午著「葉桜の季節に君を思うということ」に近いと思う。

そしてこの作品は老理容師の山あり谷ありの人生の独白がその巧みさによって、大切なものを思う優しさに転

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侍う男ファルコに学ぶ

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北斗の拳に金色のファルコというキャラクターがいる。

元斗皇拳の使い手でラオウに匹敵する実力がありながら、ラオウに自らの足を切断して差し出し、故郷の村の民の命を守った。

その際、ラオウから災いの元になるから乳兄弟ジャコウを始末すべきだと忠告されながら、母の嘆願によって殺せなかった。

そのジャコウが天帝ルイを幽閉して実権を握ってやりたい放題しても、彼女への忠義心から、理不尽な仕打ちにも関

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良書「サピエンス全史」から企業を考える

1. 昔見たドラマ「トリック」の中で、仲間由紀恵演じる自称天才マジシャンがとある教祖様のウソを見破った際、騙されていた村民が自分達は何を信じていけばいいのかと途方にくれるシーンがある。印象的で事あるごとに思い出すシーンだ。

僕たちは大なり小なり希望と言う名のウソを信じることでいきていける。

2.(1) 少し前に歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの著作「サピエンス全史」を読んだ。

文字通り人類誕生

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ジュリアス・シーザーの格言を考える

1.「人はみな自分の見たいものしかみようとしない」by ジュリアス・シーザー

かつての東京地検特捜部特捜部の誤認捜査に見られるように、どんなに論理的で頭がいい人間でも、一度抱いた思い込みや仮説によって築かれた偏見から逃れることは難しい。

だからこそ、ひとかどの人物は事実に対してどこまでも謙虚になることで、私心から距離を置き、逆説的に自らの夢や意思を大切にしたのかもしれない。

2.ビジネスの世

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