見出し画像

『荒木飛呂彦の漫画術』ストーリーの描き方|脚本が書きたい!!~脚本の参考になる本を読んでみる!編|

※この企画について
脚本が書きたい!!~脚本の参考になる本を読んでみる!編と題し、脚本を書く上で参考になる本を読み、内容をnoteにまとめていく。
おおもとの企画【脚本が書きたい!!】
『荒木飛呂彦の漫画術』の概要

ストーリーの必要性

 ストーリーはキャラクターと比べれば重要度が低いが、なくてはならない要素だ。荒木氏曰く、ストーリーのない漫画は時代の変化に追いつけないのだそう。逆に、時代が変わっても愛され続けている作品は、時代の変化とともにストーリーをアップデートしている。

ストーリーの鉄則その1ー起承転結ー

どんな作品でも基本の形は「起承転結」だ。では、「起承転結」とhどのような流れなのか。本書ではバトル漫画を例に挙げている。

①「起」 主人公を読者に紹介する。
 ここで大事なのは、主人公はなるべく早く登場させる、ということで、読者に「いったい、いつ主人公が出てくるんだよ」と思わせてしまってはいけません。
②「承」 主人公が敵もしくは困難に出会うなど
③「転」 主人公が困難に立ち向かうが、さらなる問題が起こって窮地に立つ
 この段階で、主人公は難関を跳ね返そうとするものの、どんどん困難か増幅して「主人公、いったいどうなるんだろう」という興味で、読者はページをめくっていきます。
④「結」 勝利などのハッピーエンド
(108-109頁より)

この構造があれば、様々なバリエーションを作ることができる。「起承転転転転転転結」と、主人公にどんどん困難が降りかかったり、「結起承転」と、結末から描くこともできる。

ストーリーの鉄則その2ープラスとマイナスの法則ー

プラスとマイナスの法則
「プラスとマイナスの法則」とは、ゼロの線を起点として、主人公の感情や置かれている状況が上がっているか下がっているかを考えたとき、特に少年漫画では、ひたすら上がっていくというもの。つまり常にプラスということ。少年漫画やスポーツ漫画の読者はマイナスになる主人公を見たないのだ。

ストーリー時間軸

あえてマイナスを描く
先ほどの考えはあくまで王道の考え方。なので、王道でないという覚悟でマイナスを描くのは悪いことではない。ただ、マイナスであることを作者が認識したうえで描いているかが肝心だ。ひたすら人間を捨てていくゾンビ映画などはマイナスの例である。注意すべきは、ここに恋愛や友情などプラスの要素を入れないことだ。プラスとマイナスの起伏というダメパターンになってしまうからだ。

プラスになりうる死
少年漫画の王道のひとつに「誰かのために自己を犠牲にする」というものがあるという。本書では、例としてジョナサン・ジョースター死はジョースター家の血統を受け継ぐためのためであったと書かれている。

ストーリー上のタブー

荒木氏は、本書でストーリー上のタブーについても記している。ここでは3つ示す。1つ目は偶然の一致だ。主人公がこんな状況に陥った時に、たまたま仲間が助ける、嵐が起こる、神様が現れる・・・といったことである。このような理由での解決は全く説得力がない。2つ目は主人公が間抜けという状況だ。主人公が間抜けなために困難が生じるというのはそれ自体がマイナスだ。例えば、死にそうな人を「大丈夫か!」と激しく揺さぶる、撃とうとしたら弾切れになる・・・といった具合で、安っぽいのでやめた方がいいのだそう。3つ目は夢オチである。「犯人は自分だった」と同様、「夢オチ」は読者への裏切りだと荒木氏は考える。読者は、主人公と一緒にストーリーを歩んできたのだから。

ストーリーの描き始めかた

では、どうやってストーリーを書いていくのか。荒木氏の場合、用意するのはキャラクター困難な状況のみだ(主人公が勝つという着地点は必須)。キャラクターを困難な状況に放り込むことから描き始める。用意するものが少ないと思うかもしれないが、しっかりとしたキャラクターとストーリーの鉄則があれば、困難な状況から這い上がるところまで自然とできてくるのだ。


次回は「基本四大構造」の3つ目の「世界観」について書く!


最後まで読んでいただきたきありがとうございました❗❗

前のnoteへ次のnoteへ

📗その他の記事📗
🏄🏻‍♂️この記事の関連したnote


🏄🏻‍♂️プロフィール

🏄‍♂️サイトマップ


この記事が参加している募集

熟成下書き

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?