寿命遺伝子とは何か?【お金をかけずに健康長寿11】
お金をかけずに健康長寿を実現するための記事を、「ストレス」に注目しながら書いています。
前回は「ポリフェノール」はなぜアンチエイジングに有効なのかということについて述べました。
今回は「長寿遺伝子」についてです。
「長寿遺伝子」と呼ばれている、サーチュイン(sir-2)やFOXO、TORといった遺伝子は、不老長寿や若返りを実現するために注目されていますが、果たして特定の遺伝子によって私たちの寿命は決まってしまうのでしょうか?
このことに関して、長崎大学名誉教授の森望氏は『寿命遺伝子』のなかで、寿命を制御する遺伝子について、「ヒトを含めて多くの動物の寿命を制御している」遺伝子には、「寿命を延ばそうとする遺伝子もあれば、寿命を縮める遺伝子」もあるとしています。
つまり、寿命に関わる遺伝子であっても、「本来ある形の遺伝子に「変異」が入ることによって機能しなくなったり、機能が弱まったりした結果、寿命が延びる、あるいは寿命が縮まるという、正反対のこと」が起こるというのです。
そのような寿命をポジティブにもネガティブにも制御する「寿命遺伝子」は、
と述べたうえで、「生物進化上、寿命そのものを積極的に動かすために出現した遺伝子はないのだ」としています。
さらに「12種ほどの寿命遺伝子」には、いろいろな名前があり、いろいろな働きがあるのですが、
と、森氏は『寿命遺伝子』のなかで結論付けています。
寿命を決めるのは環境と遺伝
「そのときの環境や状況に応じて、適切な状態にシフトさせている」というように、遺伝子が「寿命」を左右することは確かですが、「長寿遺伝子」が私たちの寿命を「運命」のごとく最初から決めているわけではありません。
すなわち、私たちの寿命は生まれた時から遺伝子によって決定されているわけではなく、何歳まで生きられるかは環境との関わりの中で決まってくるということです。
このことは、「エピジェネティクス(後天的遺伝子制御変化)」の考え方に通じてくるように思います。
「エピジェネティクス」とはDNAによらない遺伝の仕組みであるのですが、より具体的に言えば、遺伝子は環境からの信号に左右されることもあるということです。
たとえば、医学博士の藤田紘一郎氏は、この「エピジェネティクス」について以下のように述べています。
すなわち、遺伝子のスイッチのオン/オフには、環境が関わってくるため、健康長寿を実現するためには、どのような環境(文化も含む)に身を置くかも重要になってくるのです。
このことに関して、森望氏が『寿命遺伝子』のなかで以下のように述べていることは傾聴に値します。
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