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愛情なんて知らない。


人って、誰かから何かをされて、それが何であるかを知って、それを理解する事ができて、初めて誰かに対してそれと同じことをできるんだと思う。

親が望む私でなければ暴力を受けた。話を聞いてもらえなかった。親が望むことでなければ、やりたいことも自由にさせてはもらえなかった。

そうこうして育っていくと、望んでいる事は手に入らないのだから、本当に私がしたいことは、なんだったのかが分からなくなり、そのせいなのか、ただ苦しい気分だけを感じて生きてるだけになった。

学生の頃に、周りの人たちは、それなりに自分の望む進路を決めて、卒業を間近に控えて、希望に溢れた顔をしていて楽しそうだった。

私は、親が勝手に見つけてきた仕事先を勧められて、その会社に入った。

この会社に興味なんてまるでなかったけど。

望むことは出来ない環境なのだから、進路なんてどうでも良かったし、働いて給与が入るなら別にどこでも良かった。

そしてやっぱり、私の意思で入ったわけでもない仕事は、一年しか持たなかった。

人も仕事も合わなかった。これが関西でのことなんだけど。(関西人が合わないわけではない)

良くしてくれる人はいたけれど、親から何かをされたり、教えてもらったりして育ったわけでもないから、感謝するという気持ちすらもイマイチ分からない私であったし、そのせいで気分を害した人もいたかと思う。

この頃は、社会人になり立てだから、知らない事の方が多いのだから、仕方がないのかも知れないけど。

ただ、私があまり社会には向いていないのだな、というのだけはよく分かった。(もしくは日本に向いていない)

世間一般で言われているような大人にはなれない。いつまで経っても子どものように悩んではいる。

でもそんなものだろうとも思う。

何歳になったって悩むし、苦しむものだと思う。

ただ、ある程度の年齢になったり、特に子を持つ親なんかは、子どもの前で悩んでいるそぶりや、泣いている所を見られたくないものだ。

他人であったって、内心では(こんないい歳にもなって)と、古い傷を未だに持ち続けていても、それを口にしたり、表に出すことはないと思う。

私が、親との過去を振り返り、今なら分かっている事が一つだけある。

それは、あの親は完全に子であるはずの私に”甘えていた”ということ。

ここが親子の意識のズレなんだろう。だから意思の疎通もままならない。

親が自分でここに気付かないといけないものを。。散々な目にあったものだ。

あの2人は、それぞれが愛情に飢えていて、その飢餓を私で埋めようとしていた。

私を周りの人に対して、自慢のできる子に育てることで、周囲からの愛情を受けようとしていた。

私は、無償の愛情を受けて育たなければならなかったのに、あの2人が私に愛情を求めて、私は受ける事ができなかった。

そういう構図になるな。なるほど。もうどうでもいいけど。

なので、私の子は可愛いのだけど、愛情のかけ方は全然わからなかった。

ただ、理不尽や曲がっている事が大っ嫌いな強気の性質もあってか、子どもがそういう目にあったその時だけは、何が何でも前に出て私の子は守ってきた。

私の腹を痛めた子が、よその誰かから下手なマネをされて傷つくようなら黙ってはいない。

長男の時には、私もそういった意味では、誰かの子どもだろうと、親だろうと、言うべきことは口にしてきた。

ありがたい事に、こんな頭の悪いカスみたいな私の腹から出てきたのは、申し訳ないこんな親で。。と思えるほど、人としてはまともな人が出てきた。

長男の時には、愛情という意味では、私の方が確実に甘えていたな。。と思っている。

私はその事に気づいているけど、すでにレッテルを貼られているだけに、未だに意思の疎通は上手くいかない。

でも別に縛る気もないし、自立しているのだから、自由でいてほしい。

本当に何も話さない子だったけど、(私の性質を読んで気を使って)理不尽な出来事だけは、親としての解決はしてきたと思っている。

私があの子にしてあげられるのは、たぶんここまでなんだろう。

愛情が何であるかを知らない、私にできる愛情のかけ方は、何事か起きた時に、息子たちだけでは絶対にそれは解決できない。と判断をした時だけ、守るために私が前に出ればいい。

私にできる愛情なんてこれしかできない。ふだんがカス同然なので。

そして今は、ストレス障害の影響で、また起きれなくなっている次男に付き添っている。

愛情なんてよく分からないけど、相手がして欲しいことをしてあげる。これだけでいいよね。(言ってくれないと分からない事もあるけど)

下手に干渉できない、寄り添うしかできない時もあるなあ。。

社会的な大人の年齢になったら、大人が解決してくれないなんて、言えないしね。

でも、私はもう大人。てハッキリ意識した事なんて、ないけどなぁ。。

本物の大人なんて、この世に一人も存在していないと、私は思っているけどね。

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