創作についての考えごとと、新企画『コトノハぽんぽん』について【あたらしいマガジンのお知らせ】

　さいきん思いつくままになんとか形になったものを次々アップしてるんですが、「うーん、どうにも落ち着きがないんじゃないか？」と……とうとつに我に返った感じになってしまいました。はあ、なんだかそわそわしますね。季節の変わり目だから、なのかなぁ。

　こんにちは、しんきろうです。

　エッセイとか、小説や詩、イラスト、短歌、音楽と、いろいろ手当たり次第にやってみてはいるんですが、なんというか今ひとつ、腑に落ちてないのです。「よーしよしよし……」という手応えが、ない。うぐぐ……。

　そこで、これもまた思いつきではあるのですが、「やってみなくちゃ分からない！」ということで、『コトノハぽんぽん』というのを、ひとつ、始めてみようと思います。ぽんぽん！

　これはですね……物語になる前のアイデアの、そのまた手前にあることばからつらつらと、ぽろぽろと、思いつくままに浮かぶにまかせたものを、ひとまとまりにして仕舞ってみよう、そして時々、しげしげと眺めてみよう、というものです。

　どうにも、わたしはあるものとあるものを、本当は意味もないのに関連づけて考え過ぎてしまう癖があるようで……行き過ぎないようにするために、薬を手ずから煎じるような気持ちで、やるものでもあります。

　ただ、んー……たぶん、読んでいただいてもいつもの小説やエッセイよりもずっと「なんだこりゃ？」ってなるかも知れません。でも、なぜだか今のじぶんにはこれが必要だって確信はあるのです。

　何かを思いついたとき、それをすぐに作品にしようとすると、なんというか……ちゃんと深く考えないで、分からないで作ってしまってる危うさがある気がするんですよね。思いついたアイデア（原材料）の生産地とか、どんな風に作られてるか調べないで、早々に工場に引き返して製品にしてしまうみたいな、危うい「はやさ」がある気がするんです。それって、アイデアのことも、出来上がりの製品も、思い浮かんだそもそもの自分の無意識すら、丁寧に扱ってないんじゃないかなあ、と思いまして。

　今までの自分なら、「自分のことだけどなかなか分からないこと、あるもんだなあ。できちゃったけど、なんだろコレ不思議」なんて呑気でいられたんですけど、これからは、ちゃんと、大元にあるはずの大きなものことを気にかけたい。いろんな人とか生き物や生きてないモノの、末端のひとつみたいな自分から、できれば大元まっ辿っていって、真理というわけじゃないにしても、「ああ……こういうことなのか。なるほど」ってことを少しでも血肉的に増強したい感じなのです。

　ほんとうの意味で、つよくなりたい。力をつけたい。やさしさのことを、もっと分かりたい。ってことなのかもしれません。

　……なんだか、まとまりがなくなってしまいましたが、そんな感じでございます。できればコンスタントに、もういいかなってとこまで、やってみます。吉と出るか、むむむ……。

　かわいい

　かわいいというかチャーミングなもの、愛嬌、愛くるしさ、至らなさ、仕方なさ、やるせなさ、切なさ、さみしさ、正直であること、ちいさな間違い、思い直し、あなたのことをすごいと思ってる、敬意、数えきれないくらいの会話、気づかいや心くばり、ちっぽけかも知れないけれどこの人生は捨てたもんじゃないってこと、これは恋なのかな愛なのかなどっちでもいいけどどっちにしようかなっていつもワクワクしてる、さわるときはいつだって優しくて、たまにすごく怒ってる、大丈夫？　風にゆれるやわらかなアンテナで、ずっとあなたのことを考えている。

　余白

　余白。距離。つながり。手綱。オール。舟。対岸の景色。どこまでか分からないけれど、どこかには行き着く。戸惑い。浅い呼吸。花粉。予兆。気のせい。視線。無意識。所作、穏やかさ。いつのまにか辿り着いていた。今。この場所。履き慣れた靴。新しい服。変わるというより混ざる季節。二の腕を撫でる。疑問。左上を見上げる。部屋の天井の隅。木目のあいだを泳ぐ。物語の前のことば。そのままのことば。集めておくための小箱。いつでも取り出せるようになっている。

　真剣

　真剣さ。息を止めて潜る。ロジカルにつながること、つながらないこと。まとめて受け止める。受け止めずに、流す。風。水。香り。温度。皮膚。まぶた、まつげが日差しに光る。視界に射す斜光。何も考えていない時間。ぼんやりと体だけの時間。だんだん腰や膝が辛くなる。身じろぎ。隣にいる誰かの肩に触れて、謝る。いえ、と返される。電車に乗っている、誰かの真剣さで動いている電車にきょうも乗っている。

　……という感じです。うーむ。よかったら、「ん？」と思っていただいたときなどに覗いていただければ幸いです。

　ぽんぽん。それでは、また。

　しんきろう