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読書

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2020年8月の記事一覧

「ホモ・デウス上巻」人類は己の欲望のために自らの感受性を無視できるようになる

本書の上巻を読み終えて最も刺激に満ちていたのは、既にこの地球上に自然状態での動物というものはごくわずかでほぼ9割以上の動物が「家畜」となっているということ。

サピエンス全史でも動物とのかかわりには随分多く振れていたが本書で面白いのは、その触れ合い方の荒々しさを人間が一体いつになったらやめるのか(とは言っていないが私が勝手にそう解釈した)という方向に振れていくところ。

9割以上の大型動物を産業革

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「ZERO TO ONE」争うな。際立たせろ。

冒頭1行目から深く考えさせられる。
「賛成する人がほとんどいない大切な真実はなんだろう?」
その答えの中に起業で成功する大切な種が詰まっている。

1990年代末のドットコムバブルの狂騒を揶揄しつつも多少はその狂気と尊大さが必要かもしれないと説き
「何よりの逆張りは大衆の反対を行うことではなく自分の頭で考えることだ」という真理を伝えてくれる。

そしてかの有名なティーリズムが続く。
「独占は全ての

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万人を助けるための医療がウイルスで人類を脅かし、万人を殺すための核爆弾が全人類を救う

1945年8月6日。
75年前の今日、アメリカによって広島に原子爆弾が投下されました。
それから75年。
我々が原爆を語る時、極めて短絡的に
「戦争はよくない」「原爆は怖い」
という想いを自戒の念を込めて(自己憐憫ともいえるほどの)持つ。
ただ、既に明らかに勝敗の雌雄が決した後で落とした核爆弾は人体実験以外のなにものでもなく最も悲惨な「戦争犯罪」として我々は語り継いでいく必要がある。
日本の教育者

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「東京ゴールドラッシュ」この本を読んだ次の日に会社を辞めました

この本を読んだ翌日私は会社を辞めました「東京ゴールドラッシュ」私の心に火をつけてくれた恩人のような本をご紹介

「東京ゴールドラッシュ」読んだ次の日に会社を辞めて相場の世界に飛び込みました

私が相場の世界に入るきっかけとなったのは間違いなくベン・メズリックが書いた「東京ゴールドラッシュ」を読んだのがきっかけです。
社会人3年目で課長になり全く何の成果も出せないまま降格し悶々としていた日々でした。
悶々としてたのは降格したからではなく入社した瞬間からなんですね。
「雇われる」ということにものすごく違和感があった私はずっと遊び半分でしごとをしていたようなところがありました。
が、この本を

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「私を離さないで」現実は小説よりも映画よりもエグく悲惨で厳しい

書籍と映画、両方の感想を述べたほうがフェアだろうと思います。是非自分に向いていると思えるほうを観てほしい素晴らしい傑作。

概要
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせなが

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