万人を助けるための医療がウイルスで人類を脅かし、万人を殺すための核爆弾が全人類を救う

1945年8月6日。
75年前の今日、アメリカによって広島に原子爆弾が投下されました。
それから75年。
我々が原爆を語る時、極めて短絡的に
「戦争はよくない」「原爆は怖い」
という想いを自戒の念を込めて(自己憐憫ともいえるほどの)持つ。
ただ、既に明らかに勝敗の雌雄が決した後で落とした核爆弾は人体実験以外のなにものでもなく最も悲惨な「戦争犯罪」として我々は語り継いでいく必要がある。
日本の教育者の皆様は是非ちいさな子供たちに「最も凶悪な戦争犯罪」として原爆の記憶をつなげていってほしいと思います。

「戦争犯罪を裁くのならトルーマンを連れてこい」
と終戦直後に言い放ちアメリカに危険視されて東京で裁判を開かずに山形まで出向いて軍事裁判が開かれるという異例の形にまで持ち込ませた石原莞爾という天才軍人がいたことも併せて教えてあげてほしいものです。
それほどアメリカは「痛いところを突いてくる奴だ」という自覚があったという事です。

戦争は悲惨なことに間違いありません。
ただし、我々は相場に係るものとしてなぜ戦争をしてしまったのか・・・ということではなく
「なぜ勝てなかったのか」
を考えて考えて考え抜く必要があります。

日清戦争から大東亜戦争までの戦争とお金の関わりというものをしっかり勉強しておく必要があります。
「経済で読み解く日本史」という経済評論家の上念司氏が書かれている本があります。
ここには日清戦争から日露戦争をどのように戦費を得て(高橋是清の大活躍)ぎりぎりの戦いを凌いでいくか・・・ということを勉強していると相場への取り組み方も変わってくると思います。

そして日本においてはすっかり「怖れるに値しないウイルス」と分かってきた新型コロナウイルスについてまだ騒動が収まりませんが(私は今回の一連の事は騒動と呼んでいます)そのウイルスと核爆弾を扱った素晴らしい大傑作があります。
小松左京の「復活の日」です。

日本にもたくさん素晴らしいSF作家がいらっしゃいますが、この小松左京という作家の作品だけがなぜか「時代を超えて」数年おきに必ず取りざたされます。
それほどリアルな「先見の明」を伴った作家性を持った人なんだろうと思います。

「人類を死と疫病から救うために生まれたはずの医学が人類を絶滅させ、人類を絶滅させるだけの目的で作られた核が人類を救った」
世界というよりもこの世の真理をとらえたメビウスの輪のような構成に度肝を抜かれました。

ただ、さすがの小松左京も平年よりもウイルスによる死者が少ない状態の新型コロナウイルスでここまで日本人が異常な反応を示すとは予想すらしていなかったんじゃないでしょうか。
ここでもう一つ重要なテーマである「理性」をどう司るのか、ということを一番の軸として描いていることが小松左京の凄味です。
これは世界で人類が死滅した後に言わせた文面ですが
「我々は何一つ情報を持たずに何百分の1の幻影に怯えていたのだ」
という一文が日本におけるコロナ騒動のすべてを物語っているような気がします。

戦争で死ぬ人より「太り過ぎて死ぬ人のほうが多い」というのが今の時代です。
それはなぜか?核爆弾を多くの国が保有しているからです。
そして最先端の医療が「人類を絶滅」させるウイルスを生む。

2020年の8月6日だからこそ最も重要な本。
「復活の日」
是非読んでみてほしいです。


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