映画「繕い裁つ人」〜着るとは?
2015年
神戸の街が素敵。
自分にとって着るってなんだろう、、って考えてしまう映画。
祖母が始めた小さい洋裁店を継ぐ市江(中谷美紀)洋裁以外のことには不器用で、頑固ジジイと評されるくらい、服作りにこだわりを持っている。
市江は、祖母から受け継いだ足踏みミシンを大事に使っている。
「祖母はいつだってお墓まで持って
いける服を作ろうとしていた。二代目の仕事は一代目の仕事を全うすることだと思っています。」
その言葉通り、市江の仕事は祖母が作った服のリフォームがメイン。
お墓に持っていく服ってすごいですね。
何度も何度も直して着て愛せる服、持ってるかなあ。
汚れるしサイズアウトするし、よっぽどいい生地といいパターンじゃないとそこまで思えないかも。
学生時代デザイナーズブランドが流行って、バイトで稼いだなけなしのお金を、
1万円のTシャツにつぎ込んだことを思い出します。
それはそれで狂気の時代だったけど
昨今のファストファッションの薄利多売だって狂気。
「そんなにあったらわからなくなるんじゃないかしら。ほんとに好きなもの」
1番印象的で1番この作品を象徴しているセリフだと思う。
あふれる物あふれる服、、、好きな物がわからなくなって当然。
だから、゛好き゛を見失ったら、捨てなきゃいけない。
近所の雑貨屋ナイーフに卸している一点ものの服は常に人気で、ブランド化のオファーもあるのに頑なに拒みつづける。
神戸岡本にある、このナイーフってお店、学生時代よく通っていたお店だ!ってびっくりしました。懐かしかったー。
30年以上も前に通ったお店が今もあるなんて
なんだか市江のこだわりとかぶります。
″自分の好き″にわがままな店って、流行り廃りには左右されず生き残るんですね。
近所のJK(杉咲花)がお母さんが着ていたワンピースの直しを依頼する。
「私、背が低いし、、なんていうか、、小さいのが目立たないような、そういうのって普通のお店じゃ、、、試着も苦手だし。」
そういうのわかるなあ。
店で買える服は、平均に合わせた服で、小さいとか大きいとかそういう人には合わない。
好みまで考えたら、平均なんてないのにね。
試着してお店の人に「お客様いかがですかー?」なんて声かけられたら、
なんて答えたらいいの?みたいな。
市江の唯一の息抜きは、近所のレトロな喫茶店で食べるチーズケーキ。しかもホールで。
中谷美紀さん 男前やなあ
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