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ラバンジン花壇など造りはじめた本日の農作業進捗レポート。

こんちわこんちわ。
この頃、蜜源植物であるニセアカシアの花が咲きはじめました。
外で園芸作業していると時たまジャスミンのような美しく柔らかく甘い香りが香ってきて楽しくなります。
(水蒸気蒸留では香り抽出できないんだけどネ…)

さてさて今日はいろんな作業をちょびちょびこなしたので農作業レポートということでいろいろ書き殴っていきます。笑
まぁ日本最北の季節感とか味ってもらえればなーと。

●この頃のガーデンのお花たち。

青いハーブティーなんかで有名なコモンマロウ

ウスベニアオイだったっけな?紫と白色しかないうちのラベンダー畑でピンク色の可憐な花が咲きました。
基本的に可食花しか植えてないのでこちらも花を楽しんだらハーブティー用に収穫するつもりです。

しかしハイビスカスなんかを含むアオイ科の花はThe 花!という感じがして美しい花ですね。(実はカカオもアオイ科)
バラやヒマワリと並ぶ美しさだと思います。

なんだろうコレ?っていう、とりあえず見た目美しい子が花壇の造成予定地にいたので、写真を撮って株を鉢植えにして救出してあげました。

何かわかる人いますか?

1本だけ花穂が伸びて花を咲かせた気の早いジャーマンカモミール

こちらもハーブティあるいは青いオイルが採れるで有名なジャーマンカモミール。花の中央が凸ってますよね。

この学名を調べるとMatricaria chamomillaMatricaria recutitaの双方が出てくるんですよ。
どちらともジャーマンカモミール1種を表すラテン語学名なのですが、これをシノニムといいます。
同じ植物でも地域によって違った呼び名や文化がある場合にシノニムがある場合が多いです。
最近蒸留を始めたコモンヤロウもAchillea millefoliumAchillea alpinaなどでダブってたりします。

ノコギリソウ稚苗から生えてきたカモミールベイビー?

まさかのドイツ産Schafgarbenのタネをばら撒いた発芽トレーからひょろひょろと1本だけ立ち上がってきた恐らくのジャーマンカモミール
おそらくこの子もSchafgarbenと一緒にドイツからやってきたっぽい。

日本の輸入検疫ではこういった異種の混入をめちゃくちゃ警戒していたりするんすよね。
けど種子が小さすぎるとまずワカラネ!となるのもしょうがないよなぁと。

●先にシーズン入りしてしまった本州ラベンダー苗たち。

花穂が成熟しはじめた英国品種フォルゲイト

人間にはどうも時差ボケという感覚差が生じるみたいなんですが、植物には季節ボケなるものが起こるんですよ。
まぁだいたい冬を越すと現地の気候に馴染むのでだいたい1年で矯正されるんですが。。。

本州から購入した北海道品種の3号濃紫ラベンダー

こちらも同様、サンプル用に購入し今春北海道へやってきた3号濃紫ラベンダー。さすが早咲き系…というより明らかな時期ボケですね。
写真の背後に広がる若芽色のラベンダーも同じ3号濃紫ラベンダーなのですが、北海道の開花シーズンを正しく表しているのは背後の未開花ラベンダーたち。

半世紀以上前にフランスからやってきて世代交代を繰り返すうち北海道の寒地気候になじんだとされる3号濃紫ラベンダーですが、本州でも北海道品種を扱ってる苗木業者さんがいくらかいるんですよ。
そちらで購入した苗木だとどうやら時期感覚が現地仕様で育っているようですね。

大型・長穂・遅咲き品種の4号おかむらさき。

こちらもサンプルとして本州の園芸業者さんより購入した4号オカムラサキ。
こちらはまだ花穂に色づきがなく、今日暑かったので花穂がダランとしてますね。。。
暑い本州で育っている親株から枝分けされたラベンダーでも、そこまで耐暑性がついているわけでもないようですね。

さっそく花穂を立ち上げはじめた1号ようていたち。

ついこの前5/29に定植した1号ようてい(富良野産)

彼らは体感的についこの前(5/29)植えたばかりな気もするんですけど、早くも花芽が立ち上がりはじめてました!

3号濃紫と同様に早咲き系に分類される1号ようていですが、まさか苗木としてやってきて定植が済んでから10数日ほどですぐさま花芽を立ち上げてくるとは思いもしませんでした。

こちらも荷物到着から花壇に植えるまで4日待たせたことから、正しい開花シーズンを反映しているとは言い切れませんが、3号濃紫の方がまだ花芽の立ち上がりが早くより成長が進んでいるようです。

●やっぱり薄色だった英国品種ロイヤルパープルの花穂!

他の園芸店より買ったロイヤルパープル花穂との比較

噂によれば英国初のラベンダー香水に使用されるラベンダーかも…?として個人的に話題となっている英国品種ロイヤルパープル。
ロイヤルパープルは他の方が載せる写真なんかを見るとどうも花穂が3号濃紫のようにしっかり紫色なんですよ。

けどウチにいるロイヤルパープルはどれも薄色系の花穂。
それがどうも納得いかなくて、今年23年度にいろーーーんな園芸店さんから数株ずつロイヤルパープルを購入して比較栽培するに至ってるんですよ。

が。

上写真は本州からやってきてもれなく時期ボケで花穂をつけたロイヤルパープルなんですが、今年度違う園芸店から購入したロイヤルパープルもしっかりと毎年見るようなロイヤルパープルでした。

でめちゃくちゃ調べてると。。。

南オンタリオで栽培される様々なラベンダー品種(オンタリオ州公共検索サイトより)

異国アメリカのなんらかの品種園?で栽培されているロイヤルパープルを発見。
どうやら比較的薄色を醸すコモンラベンダーのようでした!

ちなみに、奥にみえるHidcoteという品種が北海道品種の3号濃紫と色合いが同様とされる矮小系の英国品種です。


●どうもA.millefoliumっぽくないアキレア・テラコッタ

続いて試験蒸留のために栽培しているアキレアたちのようす。

中でもオレンジ色の花を咲かせるで触れ込まれている園芸品種テラコッタなのですが、学名上はセイヨウノコギリソウのAchillea millefoliumが当てられてるんですよ。(黄花系:filipendulinaやageratumではない)

当初は白花や紅花以外にもオレンジ色を発色するタイプって自然界でも稀に現れるのかな〜その園芸品種なのかな〜と思ってたんですが、、、
この頃になってどうもAchillea millefoliumの白花とは違った形態を見せはじめてるんですよね。

花穂の広がり方や葉っぱの色、硬さなんか。

2日前のテラコッタたちの花穂近撮なのですが、花穂というか蕾がめちゃ繊毛まみれなんですよ。
で葉っぱもやや繊毛が覆って白っぽい。。。

貴様本当にA.millefoliumか?とめちゃめちゃ疑っているこの頃だったり。

なにやらこちらも様子が違うA.millefolium。

ドイツからやってきたA.millefolium(Schfgarbeと表記)は葉っぱが大きく厚めで、なにやら鋸歯がチクチクしてるよう。
明らかに北海道で採集して蒔いた種から育った子たちとは違う形態をとっています。うむぅ〜う。これが亜種ってやつなのか・・・?

●アキレア・クリペオラータ定植!

黄花系ノコギリソウの中では矮小タイプとされるアキレアクリペオラータ

こちらも2週間ほど待たせていたバルカン半島地域が原産のアキレア・クリペオラータ10株の定植を済ませちゃいました!

クリペオラータはA.filipendulinaやA.ageratumとはやや原産地域が離れますが2種同様に黄色の花を咲かせるアキレア属植物。だそう。
性質がコモンヤロウのA.millefoliumよりかはキバナ系たちに各特徴が似通っています。
葉っぱが大きめだったり繊毛が濃くモハモハ手触りのシルバーリーフ様となっていたりなどでしょうか。
アゲラタムのように葉っぱに甘い香りは目立たないようです。

●ラバンジン・スーパー花壇を急造!

いよいよラバンジンの栽培花壇に到達・着工

本日のラベンダー作業メインディーッシュ!
開花時期が8月以降になることから定植を待たせていたラバンジンの花壇の造成になります。
いよいよだ、、、待たせたな!といった感じ!

ウチの研究園では、どこでも育つラバンジン・グロッソよりもラバンジン・スーパー改めラバンダン・シュペールを花壇栽培していくことにしました。
(ラバンダン・シュペールはLavandin Superのフランス語発音)

個人的にシュペールの作り出す香りがめっちゃくちゃ好みなので!
そしてフランスのラベンダー栽培史においてラベンダーの枯れ病が流行る以前の代表的なオイル用品種でもありました。(以後グロッソがシェアを奪う)
敬意を込めてシュペールと呼びたいと思います。

まずそのシュペールたちがどこにいるのかというと・・・

わからなくなったため、お恥ずかしながら去年より鉢植えの位置がほぼ変わっていないので去年の記事(上記)を参照してシュペールの配置を探ります。

で、なぜか2株だけ10号鉢植えだったラバンジン・ロングホワイトのおかげでシュペールの場所がわかったので、さっそく花壇を用意してプラ鉢から引っこ抜いていきます。

黒土(チッソ分)を全く含まない不健全用土

毎回鉢から株を抜き取るたびに土を見てごめーーーん!!って思うんですが、ラバンジンの鉢植え用土も、ラベンダー苗が全く大きくならないで有名な組み合わせとなった「赤玉+火山灰」排水性用土でした。

ハイブリッド種であるラバンジンのコモンよりは強靭な性質で、かろうじてジリジリ育ちながら生存できていたっぽいです。
むしろ成長に回すチッソ分をどこから得て毎年葉っぱや花茎を展開できていたんでしょうかね?
枯れないだけタフだなぁと思います。。。

いろいろあるがコモンラベンダーと同じ規格の花壇で栽培してみる。

で、後日になりましたがラバンジンのシュペール花壇でっす。
昨日日が落ちるまでの徹した作業により2基分完成してます。

手前のシュペール花壇①には21年にウチへやってきて全く大きくなれない用土と太陽光に炙られる鉢植えにした子たちをもってきました。
その奥シュペール花壇②には今年購入したラバンジン・シュペール苗を植えました。

なぜだか数が足りませんでした。あれれ〜?

今年からは黒土用土で育てるのでどこまで大きくなるか楽しみ!

大株…とは言えないんですが本来であれば大株に育っていただろう21年シュペールのうち2株は、今年度より本格始動したニセコ方面でのラベンダープロジェクトの現地適応試験株(ラバンジン代表)として2株送ります。
まぁシュペールはれっきとしたフランス生まれラバンジンで、精油生産の一時代を築いている由緒ある産業用品種なので!

5株分の定植スペースが空いてしまった件。。。

ラバンダンシュペールは、主流のグロッソとは大きく香りが違う品種なので、さらにシュペールの株数があっても悪くないよねーと思い、、、

これまた時期はずれですが5株シュペールの苗を買い足して14株で花壇2基を埋めてしまうことにしました!(6/19)

グロッソより実に香りが美しいと思うので、適応能力はやや劣るようですがウチでは手厚く育てていきたいと思います。

ラベンダー品種情報の発信SNS、オープン!!

若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。