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【蒸留日記 vol.119】白花北海道ラベンダー'丘紫ホワイト'の蒸留。

本記事で解説するコモンラベンダー '丘紫ホワイト'の蒸留日は7/26です。

2024年L. angustifolia ’Okamurasaki White'の蒸留実施日

2023昨年度の'丘紫ホワイト'蒸留記事⤴︎⤴︎

■Introduction -about cv. '丘紫ホワイト'

4号オカムラサキと同じく大柄に成長するラベンダーで純白のボールを形成する様は圧巻

今年は開花期間中に雨降りが多くキレイな開花を撮れなかったので参考までに昨年のをもってきました。

丘紫ホワイトは北海道品種'4号オカムラサキ'の白花変種とされています。
そのため花茎が長めであり、順調に成長すると見事な大株ラベンダーとなるので、園芸ラベンダーとして広い庭のアクセントなどにかなりオススメできる白花の北海道ラベンダー品種になります。
’丘紫ホワイト’と競合する似た白花大柄ラベンダーとして、「トルーホワイト」や「ブルーマウンテンホワイト」などの品種が存在しています。

しかし北海道の各観光スポットでこの品種が植えてあるのを見られる場所は限りなく少なく、富良野のナーサリーさんから苗木を購入して各個人で育てるほか見ることができない希少さとなっています。

採油の歴史には登場しないマイナーな北海道ラベンダー品種なのですが、親品種が4号オカムラサキ(大元は南フランス由来)ということもあり、採油量や精油品質が期待できる白花品種でもあるのです。
(他の北海道品種である’1号ようてい’や’2号はなもいわ’には白花品種は存在していないよう)

個人的に北海道内で栽培数がもっと増えて欲しいと願っている希少品種だったりします。

■Materials&Methods

本来は満開シーズン中なのだが雨が多くこのような状態に…

さて収穫蒸留当日の丘紫ホワイト花壇。
4号オカムラサキをはじめとする遅咲き品種群が例年に比べて開花期が早く到来てしまい、おまけに開花期中に幾度もの雨を受けたため、見るも無残な状態となったあとに蒸留となってしまいました。

蒸留当日の丘紫ホワイト①
蒸留当日の丘紫ホワイト②

白い花をつけている蕾はほんのわずかとなり、ほとんどの花が茶色く萎れてしまっています。
見た目的にも精油を保持しているようには見えませんが、一応蒸留すれば出てくる状態でもあるのでしっかり収穫&蒸留してあげます。

昨年より4株ほどが多湿か低日照で弱ってしまっているので花の量はさほど多くなく、サクッと収穫は完了しました。
花穂のサイズに対して茎がめっちゃ長いので、可能な限りは根元の葉や茎が太い部分は切り落としておきました。

多少の茎を含めた花穂をまとめて蒸留してしまいます。
容器重量を含めた全重量は1071グラムで、容器重量852gを差し引いて219グラムでの蒸留となります。

■Results

丘紫ホワイト219gの蒸留結果

ピペット計測で2.5mLの抽出結果となりました!

1.収油率 - EO Yield

抽出量[ 2.5ml ]÷ 素材重量[ 219g ]x 100 = 1.141%

参考までに昨年の収油率を参照すると、昨年度の収油率は1.271%でした。
多雨を受けすごい見た目での蒸留となりましたが、さほど収油率を落とさず高い水準での収油率となりました!
葉茎を完全に除去していないにもかかわらず、さすがは親品種が精油生産専用の奨励品種であったことを伺わせる収油率の高さとなりました。

2.香りとか - EO Scent

収穫・蒸留2年分の知見ですが、おそらく富良野エリアで有名な4号オカムラサキとはまた異なる香り性質を持っている精油になるかと思います。
4号オカムラサキは紅茶のような甘い残香とシトラスのような清潔臭を感じるのですが、丘紫ホワイト精油はハーバルなイメージが強い感じがします。

植物化学の分野で、同じ植物種であっても花色が異なると精油の組成も大きく変わるということがよく知られてたりします。


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エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。