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進化するワークプレイス

夏になる前のことですが、WISE LABO様にお声がけいただき、ITOKI様主催の、最新のオフィス事情に関わるセミナーに参加しました。

経済産業省が推進している健康経営に基づき、従業員の健康に配慮すること、また従業員の職場環境(QOL)向上を目指すことで、どれだけ経営効果があるか、まさに、私が取り組みたい「ウェルネス」の重要性が事例とともに紹介されていて、終始ワクワクしながら聴講させていただきました。

ほとんどの人が、1日の大半を過ごす仕事場。
今が昼なのか夜なのか、お天気もわからない壁に囲まれ、蛍光灯に照らされた無機質な空間であれば、健康に良くなさそうなのは想像に難くないですよね。でも、そんな職場もかつては結構あったと思います。

それが今や、

サーカディアンリズムに合わせた照明、
木や植栽などのグリーン、
アール型(曲線)を取り入れた柔らかなデザイン、
ダイバーシティやインタラクティブな交流を生むボーダレスなレイアウト、
運動を促す「仕掛け」やリフレッシュのための空間、
感染症などを防ぐ空気清浄や健康な食事メニュー、など。

数々の事例が紹介されていて、驚くとともに、感動しました。

特に印象に残ったのは、立って作業したり、ミーティングする立位デスク、脚を伸ばすストレッチができるラインが引かれている廊下の床、いくつかのストレッチの方法が描かれている壁、雲梯(うんてい)が設置されているカフェテリアの入り口、ボルダリングできる壁といった、「思わず」身体を動かしたくなる仕掛けの数々。

また、過去には動線が少ない方が良いとされていたレイアウトが、今は真逆で、あえて「歩く」ように設定されていたり、フリーアドレスに象徴されるように、従業員が好きな場所で快適に働けるように、一人で集中できるデスク、緩やかにコミュニケーションできるデスクやテーブルなど、フレキシブルなレイアウトが用意されています。

経済産業省発行の平成27年度 健康経営オフィスレポートによると、
6時間以上、座りっぱなしで仕事をする人の生存率は、3時間しか座らない生活の人と比較して、15年以内に亡くなる確率が40%も高いそう。

人生100年時代、そして、人口減に入る日本。
一人一人が元気に生き、働けることが今まで以上に大切になってきているからこそ、一日の大半を過ごす仕事場が快適であることは、QOLにダイレクトに関わってくるでしょう。

そして、もう一つ聴講したのは、アメリカの大学や企業、シェアオフィスの事例。

大学は、MIT Media Labo と University of Pennsylvania のPENNOVATION

MITは、ガラス張りの明るい空間で、研究スペースにロボットや機会が所狭しと並んでいて、見るからに面白そう。 PENNOVATIONは、なんと、優秀なスタートアップをサポートすべく用意された施設だそうで、研究の自由度を上げるために、「あえて」少しぐらい汚しても良い、丁寧に使わなくて良いと感じさせる空間に作られています。

次は、シェアオフィス。まもなく日本にも参入してくるWeWorkや、MINIが設立した A/D/O、ボルダリングジムの中に、時々デスクスペースが現れるBrooklyn Boulders Somerville、スタイリッシュなNeueHouse。

驚いたのは、ウォール街の大手金融機関(すみません、名前は忘れました…)もWeWorkの所有するビルを借り上げているそうで、エスタブリッシュメントとカテゴライズされる企業も、固定資産を持つという概念からフリーになっていること。

スピーカーの方によると、シェアオフィス大手のWeWorkのワーキングスペースは大衆的な作りで、マンハッタンのNeueHouseは洗練されていて、高級感が溢れ、非常に凝った、作り込まれたインテリアだそうです。(下記写真)

そして、最後は企業2社、Google NYとKICKSTARTER。

Google NYにはレゴのインテリアグッズが各所に配置され、ポップなイメージ。キッチン、卓球スペース、話題のシェフが日替わりでランチ提供するカフェテリアがあり、オフィスが広いので移動用のキックボードもあり(!)、フロアごとにコンセプトが違うそう。おもちゃ箱のような空間は、子供も喜びそうです。

かたやKICKSTARTERは、もともと鉛筆工場で、ホテルになる予定だった建物をリノベーションしたオフィス。デスクの木材やシアターチェア(シアターがあるんです!)は再生品、キッチンやライブラリー、中庭まであります。(本記事・冒頭の写真)

キッチンは、オフィスの重要なソーシャルハブとなっているそう。一息つける場で、ざっくばらんにコミュニケーションが取れると、良いリフレッシュになりそうです。

執務スペースは、ガラス張りの大きな窓から木々のグリーンが見え、デスクやソファの配置もゆったりしていて、写真で見るだけでも開放感抜群!
ライブラリもあり、ソファスペースは自宅にいるような雰囲気で、こちらも「仕事場」という感覚から、完全に開放されます。

ミレニアル世代が世の主力となっていく中、「会社」「仕事場」「プライベート」という、かっちり分けられた概念がなくなってきて、仕事も人生もフレキシブルに、ボーダレスに楽しむスタイルになってきているんだなぁ〜と40代の私は、ときめきながら聴いておりました。

お声がけ下さったWISE LABO様も、オフィス空間、居住空間ともに、そこにいる人が主役となり、場が活かされ、幸せを感じることを目指された場を創造されていて、とても共感し、尊敬している企業様です。

それぞれの人が、自分の人生を、意欲的に健康に生きていけること。
WELLNESS, Well-beingという概念。日本はこれから、これを大切に生きていく段階に入ったと思っています。

息子たちの未来も、のびのびと自由度高く、楽しめる素地ができていることを願います。素晴らしいセミナー参加の機会を、ありがとうございました。

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