見出し画像

紙の本の手触りがやさしい



紙の本が好きです。


電子書籍も何度か読んだことはありますが、圧倒的に紙の本が多いです。


なので、書店で紙の本を買います。(町の本屋さんを応援しているので、できる限り町の本屋さんで買うようにしています。)


頁をめくるときの紙に触れる感触が何とも言えず趣深く、心安らぐ瞬間です。ずっと、ずっと、触れていたい。


本といっても、単行本から文庫本、いろんなさまざまな紙質があります。出版社ごとにも違いがあります。それぞれに特徴があるので、紙質を指で感じながら各出版社の本を読むのも、読書の楽しみの1つになるのかなぁと思います。


とくに好きな紙が「文學界」の紙質です。なめらかでやさしい。紙に触れているだけで、幸せな気持ちになります。その上に素敵な物語が奏でられると上質な読書時間になり、気持ちが整います。


これは単行本の方ですが、川上未映子さんの「夏物語」の紙にも癒されました。薄くてやわらかくて、やさしい悪魔的質感。まるで鼻セレブならず指セレブ。紙が指にソフトにからみつき、離れるのがいとしいとしと心が言う、戀しきシチュエーション。


「夏物語」が刊行されたときの川上未映子さんのホームページには、こう書かれていました。


原稿用紙で1000枚を越える長さになったんですが、従来の製本で行くと倍くらいの厚さ、重さになるところを、いちばん軽くて薄い紙を使っていただき、驚きの軽さ、最高の形状、手触りになりました。

川上未映子さんのホームページより


このこだわりが、いい雰囲気の純喫茶で珈琲を飲んだときのように、物語をさらに深い味わいにしてくれます。


とても繊細でしたね。この紙質。


読了後もきめ細やかな手触りが記憶に沁み込んでいて、この感覚といっしょに物語が余韻となって再生されました。


それは


贅沢なやさしい時間を演出してくれました。




いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。