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北の達人コーポレーションがフツーの企業の5倍も儲かっている理由

知る人ぞ知る高収益企業「北の達人コーポレーション」をご存じでしょうか。北海道札幌市に本社を置き、オリジナル商品の健康美容商品などを販売する「Eコマース事業」を行っている企業です。

最近のニュースとしては、札幌のラジオ局エフエムノースウェーブを子会社化したことが話題になりました。音声メディアが拡大する中、デジタル音声広告の攻略に取り組むことが狙いです。

今回は北の達人コーポレーションの特徴をざっくり解説していきます。

ぶっちゃけ、どのくらい儲かっているの?

北の達人コーポレーションは、実際どのくらい高収益なのでしょうか。同社の2020年度の営業利益率は28.9%となっています。日本企業の平均営業利益率はざっくり6%なので、平均的な日本企業の約5倍儲かってる計算です。

また、営業利益を従業員数で割ると「従業員一人あたり営業利益」という指標が算出できます。これは生産性を表す指標です。北の達人コーポレーションの場合はどうなっているのか見てみます。

従業員1人あたり2,000万円超の利益を稼ぐ

北の達人_少数精鋭

従業員一人が稼ぐ営業利益は約2,300万円となっています。これは、東証一部上場企業の時価総額上位10社平均の2.2倍というトンデモナイ高さです。北の達人コーポレーションは、少数精鋭で極めて生産性の高い企業なのです。

でも、どうしてこれだけ稼ぐ力が高いのでしょうか。同社のビジネスは、化粧品や健康食品のジャンルでオリジナル商品を開発し、ECで販売するというものです。そう考えると、商品力の高さにヒミツがありそうです。

商品化されるのは、たった2%だけ

北の達人_びっくり

北の達人コーポレーションでは「びっくりするほどよいものができたときにしか商品化しない」というポリシーがあります。ですから、商品開発から発売に至る商品は全体の2%しかありません。ほとんどはボツになるわけです。

商品開発時には徹底したモニター調査を行っています。量より質を重視しているので、オリジナル商品は32アイテムと非常に少品種です。その分商品力が高いので、価格競争に巻き込まれることなく高収益を実現できています。

売上の7割が定期購入

北の達人_サブスク

北の達人コーポレーションの稼ぐ力を理解するキーワードの一つは「定期購入」です。同社は売上の約7割が定期購入、つまりリピーター売上となっています。

定期購入の場合、新規顧客の獲得コストはかかりません。一般的に、新規顧客に対してはテレビCMなどで訴求する必要があるので、広告宣伝費が必要になります。けれど、定期購入ならそれが不要になるわけです。同社はリピーターをガッチリ掴まえているので、安定的に稼ぐことができるのです。

今後の課題は、大ヒット商品を生み出せるか

北の達人_マスマーケット

北の達人コーポレーションの今後の課題は、大ヒット商品を生み出せるかどうかです。現在のところ、同社の商品は売上高10億円~20億円のニッチマーケット商品で構成されています。

同社は今後の成長戦略として、売上高が50億円~100億円規模の大型商品を開発する方針を示しています。これまでのニッチマーケット商品からマスマーケット商品にシフトしていきたい、ということです。

でも、どうやってそれを実現するのか。そのあたりは、同社の決算短信に詳しく書かれていました。

大手メーカー出身者を積極採用

北の達人_採用

マスマーケット商品開発に向け、北の達人コーポレーションは高いスキルを持つ大手化粧品メーカー出身者の採用に取り組んでいます。ノウハウを有する人材を獲得することで、商品がヒットする確率を高める戦略です。

同社は2019年に東京本社を開設し、2020年には早くも増床しています。背景にあるのは、経験者採用です。メーカー出身で商品開発にノウハウを持つ人材は、北海道圏での採用は難しい為、東京にも採用エリアを広げています。

まとめ

今回は北の達人コーポレーションについて企業分析しました。今回調べてみて強く感じたのは、同社の戦略の明快さです。商品開発から組織体制まで、一貫した戦略に基づいて打ち手を講じていることが分かりました。

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