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創作大賞2023で想うこと;「コメディ小説部門」はなぜないの?

noteの創作大賞が昨年よりかなり規模が大きくなりましたね。さすが株式上場しただけのことはあります。

アナウンスがあった後、小説部門にひとつ出してみたい、と考えました。

小説は、
・ミステリー小説部門
・恋愛小説部門
・お仕事小説部門
・ファンタジー小説部門
の4部門、もちろん、
・オールカテゴリ部門
というのはありますが。

私が書く/描くのは主にコメディ小説です。
恋愛はたまに登場しますが、ほんの脇役。
ミステリー? ……うーん、誰も死なないな。
ファンタジー? ……幻想的な作品もたまに書きますが、主人公が異世界に行ったり、死者が蘇ることもなく、フツーの街の中で話が進み、終わります。

ならば、このリストの中では、
《お仕事小説》
しかなさそうです。

ならば ── ありました、ありました。
スーパーマーケットで働き、困ったお客を相手に、
「なんとかしなくっちゃ!」
と頭をひねる歩美あゆみちゃん
がふさわしい ── 第一感です。

けれど、「長めのものは有料化」という今年の方針に従い、このシリーズ中の無料短編は投稿基準「無料作品で合計2万字以上」に達していません。

うーむ。
では、小学5年生のユウタくんはどうだろう?
彼はもちろん働いていませんが、オトナたちの「仕事」にからむ ── ちょっかいをかける ── 時に褒め殺し ── そして、ひっくり返す。児童会長になった後は、小学校を舞台にビジネスに乗り出す

お、これは「お仕事小説」ではないが、「オシゴト小説」と言えるかもしれない。応募してみよう!

まあしかし、募集要項や各出版社の期待を読むと、やはり、「ひとつの仕事」について描いた作品が求められているようです。
このカテゴリの対象になるのは……難しそうだな。

それにしても、「コメディ小説/お笑い小説」は、そのジャンル自体、衰退しているのだろうか?

知人に意見を求めると、
「『お笑い』ファンは一定数いるんだけど、そういう人はTVやYoutubeのお笑い番組の方に行ってるんだよ。お笑いを求めて小説を読み、文字を追うのは、はっきり言って《タイパ》が悪いんだ。落語もそうだな。時間をかけて寄席に行って『マクラ』でクスリと笑い、話を聴いて最後の『オチ』でもう1度クスリ ── こりゃ《タイパ》悪いよ。M-1のコントなら、芸人が出てきた瞬間から引っ込む直前まで笑わせてくれる」

いや、そりゃそうかもしれないが、そんな身も蓋もない言い方するなよ!

私の好きなコメディ小説ですか?
筒井康隆の「俗物図鑑」
井上ひさしの「吉里吉里人」

でしょうか。
奥田英朗の作品も好きです。

それから、コメディ小説ではまったくありませんが、三島由紀夫村上春樹の小説に出てくる、ウィットと皮肉が混じったような表現や比喩に口元が緩みます。

たとえば、村上春樹の小説に、ゴルフをする人間について、
「……しゃがみこんで芝の目を読んだり、耳を立てたり……」
というような記述がでてくると(正確ではないかも)、
《耳を立てたり》
の部分に、凝縮されたユーモア・センスを感じます。

でも、そもそもnoteの投稿自体にコメディ小説はほとんどないようですから、「大賞」のカテゴリーに存在しないのも当然なのかもしれません。

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