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【AIによる予測】予測マシンの世紀#25 AIと人間の分業⑧ 予測マシンの使いどころ


こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
 第3章 魔法の予測マシン
 第4章 「知能」と呼ばれるわけ
 第5章 データは新しい石油
 第6章 分業の新たな形
第2部 意思決定(決断を解明する;判断の価値 ほか)
第3部 ツール(ワークフローを分解する;決断を分解する ほか)
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来)

我々は如何に予測マシンと共同できるのか?前回は記事はこちら。

それでは続きを見ていきます。

■分業の新たな形
今までの記事で人間、マシンの強み、弱みが良くわかりました。そして、協力して弱みを解消し、さらに予測の精度が上がることがわかりました。
何度も書きましたが、うまく協力するには、マシンを強み・弱みをよく理解する必要があります。本によると、

予測マシンの大きな利点の1つは、人間にはできない方法でスケールアップできることだ。欠点は、過去のデータがあまり無い異常なケースでの予測に苦戦することだ。これを組み合わせると、多くのヒューマン・マシン・コラボレーションは「例外による予測」という形をとることになります。

さてどういうことでしょうか?

今まで見てきたとおり、予測マシンはデータが豊富なときに学習します。データが豊富ということは、日常的に頻繁に起こっているということなので、予測マシンは人間のパートナーが注意を払わなくても動作します。

一方で、例外が発生したとき、つまり非日常的なシナリオが発生したときには、人間は予測の改善や検証に力を入れることになる。この「例外による予測」こそが、コロンビアの銀行融資委員会で起きたことである。

予測マシンで予測したことと違うことが起こった際に、人間の出番です。この例外に対する考え方は、経営手法でも昔からあったそうです。

例外による予測という考え方は、「例外による経営」という経営手法に前例がある。予測を立てる際に、人間は、多くの点で予測マシンの監督者である。人間の管理者には多くの困難な仕事があり、人間の時間を節約するために、本当に必要なときだけ人間の注意を引くというのが仕事の関係である。必要とされる頻度が低いということは、一人の人間が日常的な予測において予測マシンの利点を容易に活用できることを意味する。

本当に必要な時だけ、人間の力を使うと。以降、以前取り上げた法律文書のどの情報が機密であるかを予測する製品を提供するChiselの例が示されています。

例外による予測は、Chiselの最初の製品の機能に不可欠だ。
Chiselの最初の製品は、さまざまな文書を取得し、機密情報を識別してリダクション(削減)した。このような手間のかかる手順は、多くの法的状況で発生する。つまり、文書を他の当事者や公的に開示しても、特定の情報が隠されている場合に限る。
Chiselのリダクターは、例外的にそのタスクに先手を打つことで予測に頼っていた。積極的なリダクターは、ブロックアウトされる可能性のあるものに対する閾値が、軽いタッチのバージョンよりも高くなる。
例えば、機密情報をリダクティングせずに残しておくことが心配な場合は、アグレッシブな設定を選ぶ。一方で、開示する情報が少なすぎることを心配するならば、軽い設定を選択する。
Chiselは、ユーザーが編集内容を確認し、それを受け入れるか否かを判断するための使いやすいインターフェースを提供した。言い換えれば、各リダクションは最終決定ではなく推奨である。最終的な権限は、やはり人間にあるのだ。

リダクション、つまり、何を機密文書として表示せず、何を公開するかはAIで予測可能ですが、それをあくまでも推奨として使い、最終決定は人間がするわけです。

Chiselの製品は、人間とマシンを組み合わせて、両者の弱点を克服している。マシンは人間よりも高速に動作し、文書全体で一貫した測定を提供する。人間は、マシンが十分な予測を行うのに十分なデータを持っていない場合に介入することができる。

人間とマシンの共同の仕方がおぼろげにわかってきました。自分のコミュニティ運営に役立てていきます。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/



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