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【AIによる予測】予測マシンの世紀#8 それはまるで魔法のよう②

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測(魔法の予測マシン;「知能」と呼ばれるわけ ほか)
第2部 意思決定(決断を解明する;判断の価値 ほか)
第3部 ツール(ワークフローを分解する;決断を分解する ほか)
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来)

魔法の予測マシンの続きです。

■魔法の予測マシン
昨日は、クレジットカードを例に、予測の定義は?予測マシンの定義は?を見てきました。

予測とは、不足している情報を埋めることだ

では、クレジットカード以外の例はどうでしょうか?

ここ数年、飛躍的に精度が向上した自動翻訳が取り上げらえています。

歴史的には、自動翻訳へのアプローチは、言語のルールの専門家である言語学者を雇って、ルールを明らかにし、それをプログラム可能な方法に翻訳することだった。しかし、AIの進歩により、翻訳を予測問題として再構築することが可能になった。

翻訳のルールをプログラム化するアプローチから、予測問題に再構築されたと。確か、2016年ごろからGoogle翻訳の精度が一気に上がったので、そのあたりで、予測精度が一気に上がったのでしょう。

一晩のうちに、自動翻訳は辞書と格闘している人から、両方の言語に精通しているかのようなまとまりのある文章へと変化した。

ディープラーニング技術のおかげです。最近はTransformerが出てきて、この翻訳分野は盛り上がっております。

自動翻訳で何がされているか、本で簡単に触れられています。

英語から日本語への言語翻訳は、英語にマッチする日本語の単語やフレーズを予測することだ。予測すべき情報に欠けているのは、日本語の単語の集合と、その単語がどのような順番で属しているかだ。外国語のデータを取って、自分の知っている言語で正しい語句の集合を正しい順序で予測すれば、別の言語を理解できるようになる。

自動翻訳技術は様々利用されています。本で上がられている例では、
・中国では5億人以上の人々が、iFlytekのサービスを利用して、翻訳、書き写し、コミュニケーションを行っている。
・家主は他言語での入居者とのコミュニケーションに利用
・病院の患者はロボットとのコミュニケーションに利用
・医師は患者の医療情報の口述に利用
・運転手は車とのコミュニケーションに利用

ユーザーが加速度的に増えているので、そのデータをもとに、AIが急速に進歩しています。

さて、クレジットカード、自動翻訳の例で見てきたように、それは魔法のように、予測精度が急速に良くなっています。クレジットカード会社は私たちが何か問題に気づく前に不正を検知して対処しています。現在での予測精度は98%~99.9%だそうです。98%から99.9%への改善は、ミスが20分の1になるため、数字的には小さく見えますが大きな変化です。

さらに、予測が安価にできるようになりました。

予測のコストの低下は、人間の活動に変化をもたらしている。コンピュータの最初の応用が、国勢調査の集計などの身近な算術問題に適用されたように、AIによる安価な予測の最初の応用の多くは、古典的な予測問題に適用された。不正行為の検出、信用力、健康保険、在庫管理などだ。
信用力とは、ある人がローンを返済する可能性を予測することだ。健康保険では、個人が医療費をどれだけ使うかを予測した。在庫管理では、ある日に倉庫に何個の商品があるかを予測した。

新たな技術が安価になり広がると、まずは身近な問題に応用が進みます。AIの場合は、予測する問題として認識されているもの、はわかりやすいですね。

最近では、まったく新しい種類の予測問題が登場した。物体識別、言語翻訳、創薬など、最近のAI技術の進歩以前には、その多くはほぼ不可能に近いものだった。例えば、物体認識。1000種類の物体を正確に認識するコンテストが行われている。人間でも約5%の確率で物体認識を間違える。2015年時点でAIが人間を超えた。

ここで、みなさん、疑問に思うかもしれません。
「AIに出来ることは単なる予測じゃないか。SFに出てくるような知性を持ったAIには程遠いので、そんなに騒ぐ必要ないのではないか?」

著者は以下のように説明しています。

予測は様々なものの基礎だ。気づいていないかもしれないが、予測はどこにでもある。生活は、予測であふれている。多くの場合、予測は意思決定へのインプットとして隠されていり。より良い予測はより良い情報を意味し、より良い意思決定を意味する。
予測は、「有用な情報を得る」という意味で、「知性」そのものだ。予測の精度が高ければ高いほど、より良い結果が得られる。予測のコストが下がり続ける中で、幅広い活動にマシン予測が有用であることを発見し、その過程で、自動翻訳のような、以前は想像もできなかったあらゆる種類のことを可能にしている

明日以降もこうご期待!

草場壽一

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