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初めてのホームステイ in Epinal(海外旅行記2 東京⇄フランス 2015.3.20-31②)

①の続きです。①はこちら↓

エピナル(Epinal)

エピナルは、フランス北東部のロレーヌ地方ヴォージュ県(Vosges)の県庁所在地で、人口は35000人程です(2020年現在)。町の中央にはモーゼル川(Moselle)が流れており、自然に囲まれたのどかなエリアです。また、エピナルは版画がとても有名で、博物館もあります。

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↑赤いピンがエピナル(Epinal)。ロレーヌ地方(Lorraine)の南に位置しています。

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↑エピナルの街中を流れるモーゼル川(Moselle)

朝、日本では聞いたことがない鳥の美しいさえずりで目が覚めます。心配していた時差ボケの症状もなく、ホームステイ先のご家族が朝ご飯を準備してくださり、その後コンクール会場へ。前日に演奏順決めがあり、自分はコンクール初日の出番となってしまったのです。

コンクール・・・

コンクールとはいえ、クラシックの本場のヨーロッパでの初の本番、いろんな意味で相当緊張しました。コンクールの公式ピアノはブリュートナー(Blüthner)というオーストリア生まれのピアノです。(このコンクールでは、毎回公式ピアノが変わるみたいです。)演奏はさておき、コンクールを終えた後は、さっと私服へ着替えてホームステイ先の家へ。その日はゆっくり過ごしました。

その2日後、一次予選の結果発表があり、残念ながら落選してしまうのですが、その後のホームステイのご家族の方のご厚意で日本に帰る日までいてもいいよと仰ってくださり、お言葉に甘えさせていただきました・・・。

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↑ステイ先の家に戻る途中の長い階段

マウンテンバイクに乗る

ある日の朝のこと、ホームステイ先のおじさんが、「サイクリングに行こう!」と僕に話してきました。エピナルの街をサイクリング、良いじゃないかと思い、是非!と言うと、おじさんはにこやかな表情でどこかへ行き、スパッツのようなサイクルパンツ(?)にヘルメット、そして本格的なごっついマウンテンバイクを持って戻ってきました。てっきりママチャリ的なものかと想像していたので面食らいましたが、おじさんが笑顔でバイクの準備しているのを見ているとだんだんと乗りたくなってしまい、いざ出発。

おじさんはちょうど前の年に定年を迎えられたそうで、歳も60代前半だったのですが、信じられないほどの体力を持ち、坂道でもぐんぐんハイペースで進んでいくおじさんに僕はどんどん遅れをとり、ついにはマウンテンバイクコースの林のなかで見失ってしまいました。帰り道もわからずどうしようかと困っていると、遠くから"Shotaro~Shotaro~"と呼ぶ声が聞こえます。なんとおじさんがわざわざ戻ってきてくださったのです。(しかも高台から下るコースだったので、おじさんは登ってきてくださったのです…!)体力なくてすいません・・・と言うと爆笑され、少し遅めのペースで進んでくれました。

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↑この道を通ってきました。

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↑マウンテンバイクとともに

コントレックス村(Contrexeville)

またある日のこと、おじさんがスパに行かないかと誘ってきました。スパ・・・温泉か。もちろんヨーロッパのスパは行ったことがなかったのですが、何事も挑戦だと思い、是非!と言うと、おじさんはにこやかな表情でどこかへ行き、入浴用の水着(しかもなかなかキワドイ・・・)を持って戻ってきました。スパの場所はエピナルではないらしく、おじさんの車で出発。

約1時間後、着いた町は"Contrexeville"という小さな村でした。日本でも販売している超硬水ミネラルウォーターのContrex(コントレックス)の水が湧き出ている地域でもあります。そういうことなので、村の中にはコントレックスの水が出る蛇口があり、多くの方がボトルに入れていました。(おじさんも持参のボトルに入れていました。)

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↑左の枠がContrexeville。右に見えるエピナルからそれほど遠くありません。

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↑ボトル6つまでという決まりがありました。

その後、いざ目的のスパへ。建物の入口の装飾が美しく、少し緊張。事前におじさんから借りていた水着に着替えます。温水に入ったり、外へ出て寝っ転がったり、自由に飲んでもOKな水を頂いたり(この水もまたコントレックスでした!)、日本の温泉と雰囲気が全然違いましたが、楽しい時間を過ごすことができました。

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↑スパのエントランス。入場するときはかなり緊張しました…

コンクールが終わって、こんなにのんびりしていてもいいのかなと思いましたが、今ふり返ってみると、ホームステイ先の皆様の優しさに感謝ですし、本当に貴重な経験をさせていただいたなと心から感じています。

③に続く・・・

西村翔太郎 Shotaro Nishimura



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