【酒コラム】沖縄での「上等」の意外な意味&酒造レポート~比嘉酒造編~
どうも最近沖縄に移住したリキッドボーイです。
皆様は「上等」という言葉をどういうニュアンスで使用しますか?
「喧嘩上等」とか「上等だよ!」とか少し怖い言葉のイメージですか?
いやいや沖縄では、「上等」=「GOOD」という意味で使われます!
オリオンビールの公式サイトでも独特の沖縄方言として紹介されています。
例えば
新しい靴を買って「この靴上等だね~!」とか
いい感じのお店に入って「お店の雰囲気上等だね~」みたいな感じですね。
日々の生活の中で、みなさんそれぞれの「上等」な瞬間がきっとあると思いますが、
私の働く「星のや沖縄」では、
そんな「上等」な瞬間を非日常の中で味わえる空間です。
また沖縄らしい泡盛の酒造見学もできる酒旅プランもあります!
今回は、星のや沖縄で開催されている「ゆんたんざ巡り ~泡盛酒造~」
でご協力いただいている酒造の比嘉酒造に見学に行ってきました!
※ゆんたんざ=「読谷」の呼称です
こちらのアクティビティは、作り手による泡盛酒造案内と、風情溢れる古酒蔵での試飲、仕次体験が楽しめるプランです!
「仕次( しつぎ)」とは、飲みながら古酒づくりの楽しむことのできる泡盛の独自の文化。
今回は、比嘉酒造のご紹介と「仕次( しつぎ)」について解説していきます!
「残波」で有名な比嘉酒造は、
1948年設立の沖縄県中頭郡読谷村に構える酒蔵です。
創業者「比嘉 寅吉」の「沖縄県民によい泡盛を」をという理念のもと、泡盛の販売をスタートさせました。
比嘉酒造では、泡盛の原料であるタイ米の洗米した際のとぎ汁を微生物で分解させて、処理するなど環境持続可能な環境保護のためのSDG's活動をおこなっています。
甕熟成の部屋を見せていただきました!
甕で熟成させることで酸化熟成が起こります。
泡盛あえて空気に触れさせて瓶と比較して甕貯蔵のほうが、
容器の中に入っている空気の量が多いので酸化熟成が起こります。
酸化による古酒化が進みやすく、さらには甕のミネラルが泡盛の成分の化学変化を促進させる触媒効果があるので、古酒造りには向いているといわれます。
「仕次( しつぎ)」について解説していきます。
「仕次( しつぎ)」とは、年代物の古酒にそれよりは少し若い古酒を注ぎ足すことで、古酒の熟成した香りや芳醇さを保ちながら、酒を劣化させないようにする手法です。
泡盛の甕を複数個用意し、一番甕から最上の古酒を汲み取ったら、その減った分をそれより若い二番甕から注ぎ足し、二番甕には3番甕から……というふうに、どんどん循環させます。
琉球王朝時代から約600年の歴史を持つ泡盛。
琉球王朝時代では、泡盛は特に貴重なもので、
自分の部屋の鍵は預けても、古酒蔵の鍵は誰にも渡さなかったと言われているほどです。
戦前までは100年、200年といった古酒が数多く存在し、名家の家宝として賓客に振る舞われていたといいます。
しかし、戦争でそういった古酒はほとんどが途絶えてしまいました。
古酒がその家に長く続いているということは、
世の中が平和で、その家系の繁栄を表しているともいえます。
これからも平和な日々が続くことで、あたらしい古酒が100年200年と造られていくことを望むばかりですね、、、
「ゆんたんざ巡り ~泡盛酒造~」では、
杜氏による酒造案内の後、古酒蔵にねむる星のや沖縄の甕から古酒を酌みだし、試飲を体験します。
その後減った量を甕に継ぎ足す、伝統的な「仕次(しつぎ)」体験を通して、比嘉酒造に受け継がれる泡盛への想いや歴史に触れられます。
星のや沖縄にご宿泊の際は、ぜひご参加ください!
次回の投稿もお楽しみに!