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【徹底解説】ファイザー・モデルナだけじゃない。10種類以上あった世界のコロナワクチン。


新型コロナウイルス流行直後から、ワクチンの開発競争が話題を集めていました。

日本では、ファイザーやアストラゼネカ製のワクチンが多く使われていますが、実は世界にはまだまだ様々なワクチンがあります。

そこで、今回はワクチンの種類やその仕組み、そして供給状況に触れていきたいと思います!
(副作用については諸説あるので、ここでは触れません。)

(ニュース本文はこちら👇)


世界のワクチン製造会社

まずは、世界のワクチンの種類を製造会社ごとに見ていきます!

ここでは日本経済新聞の「チャートで見るコロナワクチン
世界の接種状況は」のグラフを参照します。(6月2日までのデータ)

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①ファイザー

アメリカの製薬会社で、2020年世界の医薬品売上高で2位。(一位はスイス・ロシュ社)。ドイツのビヨンテック社とワクチンを共同開発し、接種回数では世界1位であり、日本でも承認されている。

②アストラゼネカ

イギリスの製薬会社である。オックスフォード大学と共同開発したワクチンは、米国での接種が多く、日本でも多く接種されている。

③ノババックス

アメリカの製薬会社。上のワクチンよりも開発が遅れたものの、WHO主導のワクチン供給枠組みであるCOVAXに大量に供給している。

④モデルナ

アメリカのバイオテック企業。設立時からメッセンジャーRNA(mRNA)のみに基づく創薬、医薬品開発、ワクチン技術に焦点を当てている。ファイザー同様早期に承認され、日本でも接種されている。

⑤ジョンソン&ジョンソン

アメリカの製薬、医療機器、ヘルスケア企業。バンドエイドの商標を持っている。ワクチンは一回の接種のみということで広く使われている。

⑥サノフィ

フランスの製薬、バイオテック企業。デング熱のワクチンを世界で初めて開発したことでも知られる。ワクチンはEUを中心に供給されている。

⑦シノバック

中国の医薬品メーカー。ワクチンは中国に先行してインドネシアとトルコとブラジルで承認を得た。そして、今回WHOの承認を受け、COVAXでの提供が可能になった。

⑧ガマレヤ研究所

ロシアの国立研究機関。「スプートニクV」というワクチンを開発し、世界65カ国で承認を得ている。インドでの接種が多い。

⑨シノファーム

中国の国営製薬会社。ワクチンはハンガリー・イラン・エジプトで多く接種だれており、WHOの緊急承認も得ている。

⑩メディカゴ

カナダのバイオテック企業。イギリスのグラクソ・スミスクラインと植物由来のワクチン開発をしている。


ワクチンの種類と仕組み

そもそもワクチンとは、人間の体に病原体を覚えさせ、抗体を作ることによって、同じ病原体が入ってきたときに倒せる仕組み=免疫を人工的に生み出すものです。

ワクチンは製造会社によって様々な種類があります。そして、それぞれ免疫獲得の仕組みも異なります。

現在のコロナワクチンに使われているのは、

①「不活化・弱毒」
②「たんぱく質ベース」
③「ウイルスベクター」
④「mRNA」

の4種類です。

それぞれ見ていきましょう!

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①「不活化・弱毒」

これはウイルスを直接体内に入れることで、免疫を獲得する方法です。しかし、そのまま入れてしまうと症状が出てしまうので、毒性を弱くしたり、発症能力を失わせてから行うことが一般的です。

開発企業:シノバック、シノファーム

②「たんぱく質ベース」

これはウイルスの構造の一部(タンパク質)を培養細胞や酵母を使って生産し、そのタンパク質を注入する方法です。弱毒化・不活化ワクチンと比べて、ウイルスそのものを投与しない分、副反応が起こりにくいとされています。

開発企業:ノババックス、サノフィ

③「ウイルスベクター」

無害なウイルスを新型コロナウイルスの遺伝子を運ぶ「運び屋(ベクター)」として利用する手法です。こうして体内に運ばれた遺伝子からコロナウイルスのタンパク質が作られ、免疫が獲得されることになります。

開発企業:アストラゼネカ、ヤンセン(J&J)、ガマレヤ研究所

④「mRNA」

私たちの体内では、DNAからタンパク質が作られるときに、一度RNAという物質を介します(DNA→RNA→タンパク質の順で作られる)。そこで、はじめから新型コロナウイルスのタンパク質を作る過程で作られる「RNA」を投与することで抗体をつくるワクチンです。

開発企業:ファイザー、モデルナ


特に③と④は新型コロナウイルスのワクチン開発で、本格的に実用化されていった技術であり、開発スピードが非常に速いワクチンのイノベーションでした。しかし、今までの事例がないことから副作用が危惧される声も出ています。


WHOの緊急承認


そして今回のニュースでは中国のシノバック社のワクチンがWHOに緊急承認されたというものです。

WHOに承認されるとCOVAXという枠組みを通じて、世界へワクチンを供給することができます。COVAXとは👇

新型コロナウイルスワクチンを共同購入し途上国などに分配する国際的な枠組みで、2020年に発足した。

現在、承認されているのは、ファイザー、アストラゼネカ、インド血清研究所、ジョンソン&ジョンソン、モデルナ、シノファーム、シノバックです。


今回緊急承認が増えた要因として、インドの感染拡大により、インド血清研究所のCOVAXに対するワクチン供給をストップしたことがあげられます。


現在審査中のワクチンもあり、今後さらなる承認企業の拡大が予想されます。


おわりに

最後まで見ていただきありがとうございました!

気になったことや、解説してほしいニュースをコメントにいただけると嬉しいです!(こちらからスキやコメントができなくなっています🙇)

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