「上司選択制度」若手人材確保の新たなアプローチ
SUMMARY
ある会社が、若手社員の離職率を下げるために「上司選択制度」を導入しました。この制度では、入社2年目以降の社員が年に一度、上司を自由に選ぶことができます。
選択の基準として、上司の評価が詳細に示された「活用マニュアル」(通信簿のようなもの)があり、各上司の得意・苦手項目が明確に記されています。
合う企業、合わない企業はあると思いますが、この企業では離職率が改善したようです。
自分にあった上司を選べる安心感や、上司の評価や相性が見えるかする事で、コミュニケーションがとりやすくなるメリットもあるようですが、皆さんはこの制度どう思いますか?
【背景】若手人材確保の難しさ
少子高齢化に伴い、年々若手人材の確保は厳しくなっています。
採用のご相談をいただく際も多くは若手人材が確保できない悩みを抱えておられる印象があります。
そんな中である企業が導入した「上司選択制度」が密かに注目されています。
【WHAT?】上司選択制度って?
単純にいうと、部下が上司を選択できる制度なのですが、
面白いのは上司のマネジメントスキルの可視化をした点にあると思います。
鍵となるのは、上司の「活用マニュアル」です。
上司に求められる複数の役割に対して、それぞれの上司は「どれくらい期待できるか」、◎○△×でいわゆる“通信簿”をつけます。
まずは、上司自身が自己分析をし、それを社員の意見も踏まえて基準を作っていきます。
これによって、上司の得意・不得意が明確になり、部下が選択する基準にもなります。
【問題】人間関係の悩みは退職理由の上位
職場の人間関係で悩んだ事がない人はいないのではないでしょうか?
上司と部下の「ウマが合わない」などなんとなくの相性で退職していく若手社員も少なくはありません。且つ、どうしても組織の中では上司の立場が高くなってしまいます。まずは上司のマネジメントへの意識を変えたい。そう思って始めた制度のようです。
【意外な効果】フォロワーシップを育む
この制度の以外な効果は、上司の意識だけではなく、部下の意識も変化した事です。具体的にはフォロワーシップです。
フォロワーシップとは、「自律的かつ主体的にリーダーや他メンバーに働きかけ支援すること」上司の通信簿により、上司の苦手が明確化された事により、部下がその苦手を補うような動きをとり始めたのです。
上司としても自身の苦手分野を受け入れるきっかけにもなったようで、
このような得意・不得意の開示が上司・部下両者にいい働きかけをもたらしたと感じます。
「上司選択制度」は、若手人材の定着を考える人事施策の1つとして、自分に合った上司を選べる安心感や、上司の評価や相性が見える化されることで、コミュニケーションがとりやすくなるなどメリットがあります。
施策がはまるかは企業の属性や取り組み方によっても変わると思いますが、これくらいのインパクトがある施策を実施しないと、社員へ経営の方針は伝わらないかもしれません。
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