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脳内の会話シミュレーションで、効率よく企画書が作成できる

私が企画書やプレゼンの準備として行っている、ある「習慣」があります。

それは、企画書を作る前に、頭の中でプレゼン相手と会話のシミュレーションを行うことです。

脳内のプレゼン相手はとても饒舌で、容赦なくツッコミをいれてきます。

それに対応しながら企画書の流れを作ること、ストーリー性のある企画書が効率よく完成します。

今日は、そんな私の企画書作成の「習慣」について書いてみたいと思います。

企画書は脳内会話のメモから始まる

みなさんは企画書やプレゼンの準備を、どのように進めていますか。

プレゼンにも色々な種類があると思いますが、スライドを用意して、30分ぐらいかけて説明し、上司やクライアントのOKをもらうようなプレゼンを想像してください。

おおよそ、次のような流れなのではないかな、と思います。

1.企画書のための素材を集める
2.企画書の資料を作成する
3.資料をもとにプレゼンの練習をする

私も、1の素材集めは上記の通りなのですが、2の資料作成の場面で、早くも3のプレゼン練習を脳内で始める「習慣」というか、昔からのクセがあります。

どういうことか分かりにくいと思いますので、具体的に私が普段行なっている様子を紹介します。

企画書の素材が、断片的ではあるものの、ある程度集まった時を想像してください。

よし、企画書を作るぞ、と思い、パソコンのメモ帳を開きます。

ここで、いきなりパワーポイントを開くことはしません。

パワーポイントを使っていると、ついフォントの大きさやスライドのデザインなど、内容以外の事が気になってしまいます。

ですので、まずはプレーンなメモ帳やワードを開き、文字だけで企画書の流れを書いていきます。

ここで行うのが、脳内の会話シミュレーションです。

具体的には、プレゼンをする相手の中でも、決定権を握って持っているキーパーソンを頭の中に登場させて、自分がプレゼンしている場面を脳内で想像します。

その際、プレゼン相手には、私の話す内容について、ページごとにいちいち反応をしてもらいます。

例えば、次のような感じです。

私:それでは、今日は新商品のコンセプトについて説明します
プレゼン相手:そうなんだ。どんな進め方で説明してくれるのかな
私:(あ、アジェンダを入れたほうがいいな)まず、現状分析を行ない、次に商品コンセプトの仮説をお話しします。最後は、質疑応答とディスカッションです
プレゼン相手:なるほど、最後に質疑応答があるのね。ではそのつもりで聞きます
私:では、2ページ目をご覧ください。まず、新商品の目的について説明します
プレゼン相手:その前に、なぜ今、新商品が必要なんだっけ?
私:(あ、新商品が必要となる背景から入ったほうが良さそうだな)では、まず新商品が必要となっている背景についてご説明します

このような感じで、頭の中でプレゼン相手にツッコミを入れてもらい、その内容を反映させた内容を、メモ帳に箇条書きで書き出していきます。

一般的には、プレゼンのシミュレーションは、資料が完成した後に時間があればやる、という場合が多いのではないかと思います。

しかし、私は、ちょっと変なのかもしれませんが、資料を作成する時に、すでに会話調で考えるようにしています。

というのも、プレゼンは聞き手、特に決裁権を持つキーパーソンの共感や納得が最も大事だと思っているからです。

自分が何を言いたいかよりも、相手が何を聞きたいかを重視しているので、最初から相手との会話をしながら作っているのです。

たまに、学生の発表を聞いていると、提案とは関係ないけど、色々調べたからとりあえず全部資料に入れておこう、というプレゼンがあります。

よく頑張って調べたね、という努力点にはなるかもしれませんが、キーパーソンの共感や納得を高める効果はあまりありません。

初めから脳内でキーパーソンと会話をしておけば、そのような無駄なパートはすぐにツッコミが入り削除されるので、無駄なページを作成する必要がなく、効率的に企画書を完成させることができます。

説得に必要な箇所はしっかり説明し、説得と関係がない内容であれば大胆に削る。

プレゼンをコンパクトにするコツも、この脳内のシミュレーションにあるのではないかなと思っています。


キーパーソンの把握が大事

上記のような進め方を行う上で、必要な情報があります。

それは、プレゼン相手との事前のコミュニケーションです。

一度でも会って、30分でもお話しできれば、なんとなくの人柄がイメージできるので、脳内シミュレーションが可能です。

逆に言えば、一度も会ったことがない相手にプレゼンするのは、本当に難しい

会ったことがない方を頑張って想像してみることもあるのですが、あまりうまくいったことがありません。

なぜか、会ったことがないキーパーソンを空想しても、完璧な人物を想像してしまいがちです。

プレゼンの内容を考えていても、
「こんなこと、もう知っているんじゃないかな」
「こんな提案、当たり前だよって思われるんじゃないかな」

など、つい弱気な気持ちになってしまいます。

このような場合は、脳内シミュレーションは諦めて、相手が特定できない場合、例えば講演会のようなイメージで企画書やプレゼンを作ることにしています。

ただし、たとえば大企業の経営者の場合などは、忙しくてなかなか会話する機会が作りにくい代わりに、新聞や雑誌でインタビュー記事を発見することができます。

また、最近はオンライン会議の録画などで、相手が話している様子を後から知ることもできます。

このように、事前に相手の人柄や考えていることを知ることは、企画書やプレゼンを作る上でかなり大事な要素だと考えています。

企画書に掲載する情報も大事ですが、それと同じぐらい、プレゼンする相手の情報が、私にとっては大事なのです。

ペルソナやカスタマージャーニーに似ている

キーパーソンを具体的にイメージして、会話の流れに合わせて資料を作成する。

この方法は、マーケティングの世界で近年よく使われている、「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」の発想に近いのかもしれません。

例えば、ペルソナ(典型的なユーザー像)やカスタマージャーニー(購入するまでのプロセス)などは広く浸透しています。

カスタマージャーニーは、顧客が自社の商品やサービスを購買するに至るまでの行動や体験全般のことをいいます。ペルソナを設定し、特定のテーマに対して「どんな行動を取りそうか?」「どのような感情を抱きそうか?」などと考えることで、「このペルソナなら、こう感じるだろう」と、カスタマージャーニーを考える際のよりどころになります。

ペルソナやカスタマージャーニーは、商品を買う瞬間だけでなく、出会いから別れまで、その一連の顧客体験を想像しながら考えるために使われます。

同様に、企画書やプレゼンも、情報がモレなく記載されていることよりも、最初のページから最後のページまで、その一連の顧客プレゼン体験の質を高めることが重要です。

顧客プレゼン体験を高めるためのカスタマージャーニーが、私が日頃行なっている「脳内での会話」なのかもしれないな、と思いました。

このような方法で企画書を作成している方がどれくらいいるのか分かりません。もしかしたら特殊な方法かもしれませんが、気になる方はぜひ試してみてみてください!


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