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降誕800年 日蓮宗の宗祖「日蓮聖人」とは?

皆さん、こんにちは。

今日は池田住職に代わり、わたくし正覚寺広報が記事を担当します。
「広報」という肩書きを名乗ってはいますが、お寺や仏教のことについてはまだまだ未熟者。
これから皆さんと一緒にお寺や仏教のこと、他にも正覚寺にまつわることを楽しく学び、発信していこうと思います。


本日2月16日は、日蓮聖人降誕800年

本日二月十六日は、その日蓮宗を開いた宗祖「日蓮聖人」が生誕された日であり、数え年で降誕800年を迎える記念すべき日です。生誕された地に建立されたのが、千葉県鴨川市の大本山小湊誕生寺であります。

正覚寺が一昨年に開山400年を迎えましたから、それのさらに400年前・・・。

私にとっては日本史の一説のようで実感が湧きづらいのですが、日蓮宗にとって節目となる大切な一日。
そんな2月16日を迎えるにあたって、改めて日蓮聖人とは一体どのような人物だったのか振り返ってみましょう。


日蓮聖人の考える「法華経」とは?

日蓮聖人は1222年2月16日、千葉県の安房郡で生まれました。

当時、日蓮聖人が生きていた時代は源頼朝による武家政権が誕生した鎌倉時代。
日々争いが絶えないばかりか、大地震、大飢饉などの災害にも多く見舞われた時代でもあります。人々は生き延びることに必死で、世の中全体として混沌としていた時代だったと言われています。

そんな時代を辛抱強く過ごしていた日蓮聖人はあるとき、

「なぜそれぞれの宗派にたくさんの信者が存在し、日頃から教えを説いているのにも関わらず、人々は苦しみから解放されないのだろう?」

と、仏教の在り方について疑問を抱きました。
そして日蓮聖人は、改めて“仏教の本質”というものを探り、日本中を旅して周り、さまざまな経典を読みふけって日々勉学と修行に励みます。

その道中、日蓮聖人が「これこそが人々を救う教えだ!」と見つけ出したのが、現在も日蓮宗の僧侶たちが唱え続けている「法華経」でした。
日蓮宗では、「南無妙法蓮華経」の題目を唱えることで、現世で生きる人でも仏になることができる、との考えがあります。

私は以前まで、仏教といえば一般的に「死後の世界で仏になるために題目を唱える」というイメージがありましたが、
日蓮宗では上記の通り、死後に仏になることを目指すよりも、まず現実の世界が平和でなければならない、という考えに基づいています。

そのような考えから日蓮聖人は、

「あなたもいずれ仏となる身なので、私はあなたのことを軽々しく扱いません。」

そんな姿勢を貫き、どの人に対しても合掌・礼拝を心がけておられたそうです。
このような丁寧な対応が、今もなお多くの人々が日蓮聖人を慕った理由のひとつかもしれませんね。


大震災、新型コロナウイルス、SNSによる争乱。
私たちが生きているこの時代は、実は日蓮聖人が生きていた鎌倉時代と似たような時代なのかもしれません。降誕800年を迎える日蓮聖人の姿勢を改めて見つめてみようと背筋の伸びる一日でした。


正覚寺では、鬼子母神堂の前に日蓮聖人像が建てられているほか、本堂には日蓮聖人の木像、祖師堂には江戸城にあった菊の御紋の袈裟を着た日蓮聖人像が祀られています。

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中目黒にお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。


それではまた次回の記事でお会いしましょう!




文・編集 正覚寺広報






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